ジャーナリストの死 James Foley

戦場ジャーナリスト:
ジェームズ・フォーリー

2016年公開のドキュメンタリーフィルムより、挿入歌

If I should close my eyes, that my soul can see
And there’s a place at the table that you saved for me
So many thousand miles over land and sea
I hope to dare, that you hear my prayer
And somehow I’ll be there

It’s but a concrete floor where my head will lay
And though the walls of this prison are as cold as clay
But there’s a shaft of light where I count my days
So don’t despair of the empty chair
And somehow I’ll be there

目を閉じれば心に浮かぶ
あなたが僕に取っておいてくれる、そのテーブルの一角
幾千マイルも越えた遥か遠くの地で
ぼくの願いが聞こえればと強く思う
何とか帰り着くから

ただのコンクリートの床に僕は頭を横たえる
この監獄の壁は冷たいけど
それでも細く差し込む光に日々を指折り数える
だれも座っていない椅子を見て悲しまないで
ぼくはどうにか帰り着くから

気を強く持てる日もあれば、弱気になったり
口もきけないほど打ちひしがれる日もある
でも、思いをはせる場所がある
どうにか帰り着く家

木々が葉を落とす冬が来たら
あなたは窓の外の暗やみに目を凝らす
ぼくはいつも食事に遅れてたから怒ってたね
ぼくの場所と空いた椅子はそのまま取っておいて
何とか帰るから
何とか帰るから


ジェームズ・フォーリーはアメリカの従軍記者としてシリア内戦を取材していた2012年11月にシリア北西部で誘拐され、2年間行方不明となった。2014年8月、オバマ大統領が命令したイラクにおけるアメリカ軍の空爆が始まり、その報復としてISISによって斬首される様子が動画に出た。40歳だった。

このドキュメンタリーは、ジェームズ・フォーリーの幼友達だったブライアン・オークスが彼の家族、友人、ジャーナリスト仲間、拘束時に共に暮らした仲間にインタビューし、彼の性格や仕事に対する姿勢を浮き彫りにしたものである。

以上、wikiからあれこれを拾ってモディファイしてみた。


” 「国境なき記者団」の発表によると、世界中で殺害されるジャーナリストの数は2012年以降、年間100名を超えていたが、2016年度は80人、2017年度は74人と大幅に減少した。ただし、2018年度は11月時点ですでに78人。 ”

上記は、ビッグイシュー日本2018年12月5日号に掲載されたイタリアのストリート誌『スカルプ・デ・テニス』 の記事より
http://bigissue-online.jp/archives/1073207916.html

この記事によれば、近年、殺害されるジャーナリストが減少傾向にあるのは喜ばしいことだが、その背景にはジャーナリストたちがもっとも危険な地域を避ける傾向が要因となっているという。 それ故、現地で活動するジャーナリストの数が減った国として、 イラク、イエメン、リビアが挙げられている。殊に、戦争事情が複雑なシリアはジャーナリストにとって最悪な場所と認識されている。

上記の記事内、「国境なき記者団」の報告書によれば、2017年度12月1日時点、世界中で326人のジャーナリストが投獄されおり、その内、本業のジャーナリストがもっとも多く、ブロガーがその半分くらい、他は、少数だが、メディアの人間であり、投獄されるジャーナリストが最も多いのは中国(52人)、次いで、トルコ(43人)、シリア(24人)、イラン(23人)、ベトナム(19人)とのこと。


ドキュメンタリーフィルム「JIM:ジェームズ・フォーリー」に使われている歌は、J.ラルフとイギリス人歌手のスティングが作曲し、スティングが歌ったもの。

どんなに危険な地域でも誰かがそこへ赴いて取材しなければ、その地域で行われている戦争の現状を世界中の人が知ることはない。世界中の人が知らなければ、その戦争の悲惨さはエスカレートする。

ジャーナリストには名を残す仕事がしたいという欲求があるだろう。確かに無謀な人はジャーナリズムの世界にもいることだろう。彼らは命と引き換えの「名」を求めているのか。 ただ、それだけが戦場に赴く理由とは思えない。

わたしが何の意味もなく理不尽に戦争に巻き込まれたなら、人に知ってもらいたいと思うだろうことは容易に想像できる。

わたしの大好きなスティングの歌を聞きながら、そんなあれこれを考える。


  

「バハールの涙」という映画にも、バハールと行動を共にするジャーナリストが出てくる。見てもらいたいすぐれた作品。
https://bessho9.info/mov/teiko.html#bahar


  

ドキュメンタリーフィルム 1997年制作
「SAWADA 青森からベトナムへ ピュリツァー賞カメラマン沢田教一の生と死」

沢田教一はフォトジャーナリストでベトナム戦争を取材した。上のDVDのタイトル画像となった写真は「安全への逃避」と題され、1966年にピュリツァ-賞を獲得した。1970年、プノンペン近郊にて何者かに襲われ、死亡。34歳。


  

映画「地雷を踏んだらサヨウナラ」  1999年制作

一ノ瀬泰三はフリーランスのフォトジャーナリストとしてカンボジア内戦を取材していた1973年にクメール・ルージュに殺害されたとみられる。26歳だった。


Ak,  3. Sep. 2020

なんか変に

なんか変になってしまった。9年くらい前まではわたしたちはなかなかに良くやっていたと思う。

産業界でも、学術界でも、海外の国々とは学び学ばれ、尊敬し尊敬されてきたと思う。でも、政治がそれらを台無しにしてしまった。「台無し」にする下地はずっと前から始まってはいたけれど、ここに来て、「台無し」の仕上げにはいっているようだ。

コロナ対策、原発政策、核兵器禁止条約の批准、年金運用、入管制度、 福祉、外交、差別、憲法尊重 … … … … … …

ここに来てだれにも見えるようになったのが、政府のコロナ対策、いや、コロナ無策。眺めているだけ。するのはマイナスになることだけ。ありもしない「日本モデル」、ありもしない「高い民度」を唱えるだけ。

「あなたたち、なんか変だから、もういいよ。勝手にしてて。」と言われてしまいそう。

世界はわたしたちを必要としなくなる。わたしたち抜きで進んでいく。

Ak., 2020.8.9

コロナ禍を乗り越えるために

緊急事態宣言が徐々に解除され、日常が戻りつつある。単純に喜んで良いのだろうか。一見、感染者数が減少しているようだが、そもそも検査数が少ないのだから、報道を鵜呑みにはできない。今後の第二波、第三波が懸念される。

憲法がコロナから直接私たちを守ってくれるわけではない。憲法は国家権力を拘束することで、強い力を持つ国家権力から私たちを守るものだからである。国民の生命や財産の保障とは、人為的に、とりわけ国家権力に奪われないことを指し、災害などによる損失は憲法の守備範囲ではない。これは政治が解決すべきことなのである。

コロナ拡大防止のため、いろいろと措置がとられている。緊急事態宣言の前から、学校は休みになり、商業施設の休業や営業時間の短縮、他県への移動など、自粛が求められた。あくまでも協力依頼であり、強制ではない。罰則規定がないのはそのためである。

外出制限は、憲法22条が保障する個人の移動の自由に抵触するものだが、感染拡大を防ぐことは同条の「公共の福祉」に当たると考えられ、やむをえないだろう。厳しい外出制限措置の出されたフランスでは、導入翌日には違反した4,000人以上に罰金が課せられたくらいである。わが国が、自由を重んじる国フランスとくらべ、自粛という緩い対応だったのはなぜか。お上に対して従順な国民性、同調圧力、相互監視を期待したのであろうか。

欧州諸国では、日本より厳しい外出制限、店舗などの営業制限にもかかわらず、人々がそれを受け入れた。メルケル独首相やジョンソン英首相による国民への呼びかけ、国の真摯な取り組みの成果である。わが国には、そのどちらもなかった。二枚のマスクに始まり、一律10万円やら支援金が取りざたされるが、対象範囲も金額も、誰が考えても十分なものとはいえない。形だけの自粛だから実効性が伴わないのである。結果的に不十分な感染防止に留まっている。

欧州諸国の各種の制限は補償とセットだ。それに対し、自粛というのは個人の判断に委ねるということである。それによって生じた不利益や損失は当人に帰するという、日本人の好きな自己責任に誘導したいのであろう。要するに、補償したくないという姿勢の現れなのだ。

国民のみなさん、感染拡大の防止に協力してください。そのために外出は控えてください。みなさんの生活は国が補償します。安心して休んでください。そうあるべきである。メルケル独首相の演説は、まさにそれであった。国民に感銘を与え、彼女の支持率はV字回復している。日本では、自粛といいながら、従わないものに罰金を科したらどうかなどというトンチンカンな発言まで出る始末だ。

やってる感だけで、実は何もやっていない政治。今回、あたかも国民が緊急事態宣言を望み、それに応える形で宣言を出したかのように思わせているが、事前に必要な対策を講じなかったから緊急事態に陥ったのではないのか。中途半端な対策しかできないのも、現行憲法が足かせになっているからで、迅速な対応のためには権限の集中と国民の行動の規制が不可欠、緊急事態条項を盛り込んだ改憲が必要だと言わんばかりの自公政権である。無能無策なのではなく、むしろ国民の不安と危機意識を煽ることで、世論を改憲へと誘導する、計算づくの災害便乗政治と思った方が良さそうである。

便乗といえば、検察庁法改正案も同様である。検察官の定年が一律に延長されるわけではなく、適任者だけというわけだ。上下関係のある組織で、任命権者にたてつくことは難しい。内閣が人事権を持てば、検察は内閣や政権の不利益になる捜査はしにくくなる。たとえば、同じ不祥事や選挙違反でも、与党議員の場合は見逃して野党議員のそれは追求することになるかもしれない。実際にはなくても、可能性があるというだけで、公正な検察という信頼は失われてしまう。検察OBが危惧するのも当然だ。

さて、コロナ禍の収束は未だ見えてこない。国民生活も経済基盤も揺らいでいる。財政は大丈夫なのか。五輪は早めに中止を決定した方が良いし、200億円ともいわれるオスプレイを17機だとか、100億円超のF35戦闘機を147機など、さっさとキャンセルすべきだ。どこかの国が攻めてくる仮定のリスクよりも、現実に起きている危難を乗り越えるための対応することが求められている。

(しみずたけと)

メルケル首相【憎悪表現】に決別

ミネアポリスでの警官による人種差別殺人に呼応してか、去年2019年11月に連邦議会でメルケル首相が行った力のこもったスピーチが、2020年5月、6月の今、再び注目を浴びています。はっきりとはわかりませんが、Pablo Perezという人が演説の一部を切り取って5/29にツィートしたのが発端のように見えます。Pablo Perez Armenteros はベルギー在住のジャーナリストで、EUのソーシャルメディア部門の長をしていた人とのことです。

その後、カナダで30年間人気のニュース番組のアンカーを務めたPeter Mansbridgeが追随しています。

この下の動画がそうです。ドイツ議会ですから、ドイツ語で演説していますが、動画内に英訳が付いています。

ほれぼれします!

We have freedom of expression in our country.

For all those who claim that they can no longer express their opinion, I say this to them: If you express a pronounced opinion, you must live with the fact that you will be contradicted. Expressing an opinion does not come at zero cost.

But freedom of expression has its limits. Those limits begin where hatred is spread. They begin where the dignity of other people is violated.

This house will and must oppose extreme speech. Otherwise our society will no longer be the free society that it was.

この国には確かに表現の自由はあります。

最近は自分の言いたいことをを自由に表明することができなくなってしまったと主張する人々に言っておきたいです。:断固たる主張をするならば、反論されうるということも覚悟していなければなりません。意見を表明するには代償を支払わなければならない場合があります。

確かに人は自分の意見を自由に表明できますが、その自由には制限があります。憎悪が拡がるのを制限する必要があるからです。人の尊厳が傷つけられることがないようにしなければなりません。

国会は過激な憎悪言動(ヘイト・スピーチ)に反対しなければなりません。でなければ、ドイツ社会は、かつてそうであったような自由な社会とは言えなくなるからです。」(訳 こじま)

※かなり意訳しています。内容が損なわれていないと良いのですが。

※この動画は、もともと、DW ドイッチェ・ヴェレ(ドイツの放送局)が放送したもののようです。


この下の動画は上のと同じスピーチです。他の議員の反応など、全体の様子が見られます。(ドイツ語のみ)

https://youtu.be/zfij-OWie0w

この動画はRUPTLYというベルリン拠点のビデオ・ニュース・メディアが配信しています。RUPTLYは RT (旧Russia Today)の一部門で、内容的にはロシア政府から独立しているとは主張しているものの、ロシアのNPOテレビ局が単一株主になっているとのwikiの情報です。それが理由かどうかわかりませんが、この動画のぶら下がりには「メルケル、最悪!」などの否定的書き込みがどっさり見られます。

こういうリーダーがいることがほんとにうらやましい!


HPの映画紹介ページに「女は二度決断する」という映画があります。

司法と行政が正しく機能しないと 女は二度決断する 2017年・独

トルコ系の夫と小さい息子を若いネオナチ夫婦に爆弾テロで殺されたドイツ人女性が法廷で戦うドラマです。題名の「二度決断する」の意味はよくわかりません。主人公は司法はあてにならないと絶望し、自分で動き始めます。一度目は実行を躊躇し、二度目に成就するところから付けられている題名かと想像しますが、この映画の主題はそこじゃありません。

ドイツ語の原題 Aus dem Nichts は「何もないところから」、「いわれなく」です。「(殺される)理由は何もないのに」という意味だと思います。 人種が違うだけです。

ドイツのトルコ人移民は1961年に政府が労働力不足を補うためにトルコなど近隣諸国からの移民を奨励したことから始まりました。今や300万人が暮らしていると言われます。4世が誕生していることでしょう。トルコ人は、今や、ドイツ人がいやがった職業に就労しているだけでなく、他のさまざまな職業に従事しています。移民統合政策に舵を取って来た政府の功かもしれません。日本に住む人が想像することができないほど、トルコ人はドイツ社会に深く根を下ろしています。

けれども、2015年から始まったシリア難民の大量受け入れを機にドイツ社会で外国人排斥が表面化して来ました。昨秋(2019年)の各州議会選挙で極右政党のひとつAfD (ドイツのための選択肢) が議席を増やしたのはまだ記憶に新しいことです。

当のドイツにおけるトルコ人社会も排斥を目の当たりにして、エルドアン政権に拠り所を求めたりするようになっているようです。もともと、ドイツでのトルコ人社会の結束は強いものであり、若い人ですら、自分の祖国はどちらであるのか模索している人が多いと聞きます。

同じく「映画の紹介」ページにて紹介している映画

「みんないっしょ」の陶酔感  THE WAVE ウェイヴ 2008年・独 の中で、

高校生の同級生仲間が「ぼくらドイツ人は」と発言した時に、「ぼくはトルコ人だけど」と言っていたのが興味深かったです。この映画のテーマは人はなぜ独裁を許してしまうのかです。それを学ぶために始めた高校の授業と生徒たちの反応が描かれる物語です。

人々の憎悪は新たな難民にだけでなく、これまで社会に深く根を下ろしてきたトルコ人社会にも向けられてきているようです。それが、上に書きました映画「女は二度決断する」の背景です。

ただ、コロナ禍の中、人々の目は現政権のリーダーシップに向けられ、AfDなどの極右勢力は力を失いつつあるというニュースを見ました。良い兆候です。メルケルなくしてこの状況が生まれたかどうかは定かではありませんが。

さて、この国でわたしたちがやるべきことは?

Ak.

抵抗の歌

抵抗の歌を演奏するすてきな人たちを紹介します。

Quilapayún キラパジュン 南米チリのフォルクローレグループ
Giovanni Mirabasshi ジョバンニ・ミラバッシ イタリア生まれのジャズ・ピアニスト
HK & Les Saltimbanks アシュカ&サルタンバンクス 現代フランスが抱える社会の病理を歌う


Quilapayún

“El pueblo unido jamás será vencido”

 今さら説明するまでもないだろうが、キラパジュンは南米チリのフォルクローレのグループ。1965年に結成され、その後メンバーは入れ替わっているものの、一貫して政治的メッセージの強いヌエバ・カンシオン―直訳すると「新しい歌」だが、中南米における音楽を通した社会変革運動のこと―を代表する存在である。1973年9月11日のピノチェト将軍によるクーデターにより、欧州公演中の彼らはフランスに亡命、88年になってようやく帰国することができた。アルバムのタイトルにもなっている El pueblo unido jamás será vencido ―団結した民衆は決して負けない(邦題、不屈の民)は、圧政や抑圧に抵抗する歌として、世界中で歌われている。また、7曲目の Venceremos(ベンセレーモス)は、サルバドール・アジェンデが率いる人民連合のテーマソングとして歌われた。

収録曲
1. Comienza la Vida Nueva
2. Elegia al Che Guevara
3. Niño Araucano  
4. Nuestro Cobre
5. Soy del Pueblo
6. Titicaca
7. Venceremos
8. Tio Caiman
9. La Represion
10. Cancion de la Esperanza
11. El Rojo Gota a Gota Ira Creciendo
12. Chacarilla
13. Con el Alma Llena de Banderas
14. El Pueblo Unido Jamas Sera vencido

 米国の支援を受けたピノチェト将軍を主犯とする陸海空+警察の4軍によるクーデターで殺害された故サルバトーレ・アジェンデ大統領を追悼するコンサートにおいて、キラパジュンが歌う「不屈の民」をYouTube動画で見ることができる。亡命当時、若者だった彼らもいい歳のオジサンになっている。

キラパジュンの公式サイトはこちら→ http://www.quilapayun.com/

El pueblo unido jamás será vencido
(不屈の民)

¡El pueblo unido jamás será vencido!
¡El pueblo unido jamás será vencido!
¡El pueblo unido jamás será vencido!

ひとつになった人々は決して負けはしない!
ひとつになった人々は決して負けはしない!
ひとつになった人々は決して負けはしない!

De pie, cantar, que vamos a triunfar.
Avanzan ya banderas de unidad:
y tú vendrás cantando junto a mí,
y así verás tu canto y tu bandera florecer,
la luz, de un rojo amanecer,
anuncian ya la vida que vendrá.

立ちあがって歌おう われらが勝利するのだと
連帯の旗が 進んでいく
そして君が来る 僕と並んで歩きながら
見るがいい 君の歌と旗が花ひらくのを
紅の夜明けの曙光がさし
来たるべき生を告げる

De pie, luchar, el pueblo va a triunfar,
será mejor la vida que vendrá
a conquistar nuestra felicidad,
y en un clamor mil voces de combate se alzarán,
dirán, canción de libertad,
con decisión, la patria vencerá.

立ちあがって闘おう 
人々は勝利するのだと
来たるべき生は より良くなるのだと
自らの幸せを勝ちとるために
歓呼の中で 闘う幾千の声がわきあがり
自由の歌をうたう
断固として 祖国は勝利すると

Y ahora, el pueblo que se alza en la lucha,
con voz de gigante gritando: ¡adelante!
¡El pueblo unido jamás será vencido!
¡El pueblo unido jamás será vencido!

いま人々は 闘いに立ちあがり
巨人のごとく叫ぶ 「前へ!」と
ひとつになった人々は決して負けはしない!
ひとつになった人々は決して負けはしない!

La patria está forjando la unidad,
de norte a sur se movilizará
desde el salar ardiente y mineral al bosque austral,
unidos en la lucha y el trabajo
irán, la patria cubrirán,
su paso ya anuncia el porvenir.

De pie cantar, el pueblo va a triunfar,
millones ya imponen la verdad,
de acero son, ardiente batallón,
sus manos van llevando la justicia y la razón,
mujer, con fuego y con valor,
ya estás aquí junto al trabajador.

祖国は団結を固め
北から南まで伝搬する
灼熱の塩田から 南端の針葉樹林まで
闘いと労働で連帯し
祖国は その跡を進んでいく
その歩みは いまにも未来を告げる

立ちあがって闘おう 人々は勝利するのだと
幾百万の人々は 真実を求めている
燃えあがる闘いは 鋼色
その手は正義と道理を運ぶ
君よ 炎と勇気をもって
ここにいておくれ 働く者のかたわらに

Y ahora, el pueblo que se alza en la lucha,
con voz de gigante gritando: ¡adelante!
¡El pueblo unido jamás será vencido!
¡El pueblo unido jamás será vencido!

lara lara lara lara lara… …

いま人々は 闘いに立ちあがり
巨人のごとく叫ぶ 「前へ!」と
ひとつになった人々は決して負けはしない!
ひとつになった人々は決して負けはしない!

ラララ……


Giovanni Mirabassi

“AVANTI!”

 ジョバンニ・ミラバッシは1970年、イタリアに生まれたジャズ・ピアニスト。繊細なタッチと豊かな表現が生み出すメッセージ性の強い音楽は聴く者を虜にする。拠点はパリだが、日本にもたびたび来日。ジブリのアニメのファンでもある。トリオによる演奏が多いが、このアルバムの全16曲―革命歌、反戦歌、レジスタンス賛歌がピアノ・ソロで奏でられる。アルバムのタイトル AVANTI! は、直訳すれば「前へ!」だろうか。権力に対して反旗を掲げる、闘う民衆への応援歌である。

収録曲
1. El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido
2. Le Chant Des Partisans
3. Ah! Ca Ira
4. Le Temps Des Cerises
5. Hasta Siempre
6. Je Chante Pour Passer Le Temps
7. Sciur Padrun
8. El Paso Del Ebro
9. A Si M’bonanga
10. La Butte Rouge
11. Addio Lugano Bella
12. Johnny I Hardly knew Ye
13. Bella Ciao
14. Imagine
15. My Revolution
16. Plaine, Oh Ma Plaine

2002年 フランス、ボルドーにある旧 Uボート基地のイベント会場でのピアノソロ コンサートにて。曲目はアルバム ”AVANTI!”から。

ミラバッシの公式サイトはこちら→ https://www.giovannimirabassi.com/

上の動画のコンサートを収録したDVDの説明はリンク先をごらんください。→ https://bessho9.info/mov/music.html#avanti


  

HK & Les Saltimbanks

Citoyen Du Monde

 フランスの旧植民地アルジェリア出身のHKを中心に、2009年に結成されたサルタンバンクスは、貧困や格差、不平等、差別、環境など、現代フランスが抱える社会の病理を歌う。ノリの良いリズムと皮肉の効いた歌詞はいかにもフランス的。Citoyen Du Monde ―世界の市民というアルバムのタイトルもぴったりだ。

収録曲
1. Des Airs Nomades (intro)
2. Salam Alaykoum
3. Enfant d’une Epoque
4. Ta Recompense
5. Citoyen du Monde
6. Passer Ma Vie
7. On Lache Rien
8. L’homme est Loup
9. Saltimbanques de Fortune
10. Tout va Bien
11. Niquons la Planete
12. Ma Parole
13. Identite Internationale
14. La Unidad
15. Jerusalem (Al Qods)
16. La Maman
17. On Sera Jamais les Beatles
18. Un Air d’Accordeon
19. Le Troubadour
20. L’homme est Loup (Peace of Salam Remix)

7曲目の On Lache Rien(あきらめないぞ!)は、2010年11月6日、冷たい雨の降るパリで、年金制度改革に抗議する市民たちの熱気を伝えるYouTube動画で知っている人も多いだろう。

HK公式サイト → https://hk-officiel.com/


 

自由の歌 Les Chants de la Liberté

“Les Chants de la Liberté”

アルバムのタイトルは「自由の歌」だが、収録曲のほとんどが、いわゆる軍歌である。最後の曲であるフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」にしても、もとは「ライン軍の歌」という軍歌にほかならない。軍歌が自由の賛歌とは、これいかに。私たち日本人は違和感を覚えるかもしれないが、日本とフランスでは、軍歌の成立要因も歌詞の内容も異なるからである。

明治以後、膨張政策をとった日本は対外戦争へと邁進していった。日本の軍隊は侵略を目的とした組織だったのである。だから、歌われるのは、満州や中国大陸、ラバウルなど、「ここはお国を何百里…」、国民の目には見えない遠く離れた異郷であることが多い。戦う相手は敵の兵士であり、日本に従わない現地の反対勢力だった。日本の軍歌は、兵士の鼓舞、戦死者の顕彰、国民の戦意高揚と忍従、すなわち戦争遂行のための歌なのである。

一方、国内が戦場になった経験を持つフランスでは、圧政や他国による支配に隷属しないために戦うことはやむを得ない選択だった。敵は他国の軍隊とは限らない。自国の王や皇帝であれ、自分らの生命を奪い、生活を破壊するものは民衆の敵という認識である。「パルチザンの歌」などは、敵を目前にして武器を取らざるを得なかった人々の抵抗の歌である。

戦争の正当化と抵抗の呼びかけ、賛美の対象と方法の違いを知ることで、戦争に向き合った日仏の国民のあり方の違いが見えてくる。

収録曲
1. Le déserteur – Boris Vian
2. Sans la nommer – Georges Moustaki
3. La chanson de craonne – Maxime Le Forestier
4. Ca Ira – Edith Piaf
5. Giroflée Girofla – Yves Montand
6. J’Avions Reçu Commandement – Yves Montand
7. Le Chant Des Partisans – Germaine Sablon
8. L’Internationale – François Marty
9. Le Temps Des Cerises – Charles Trenet
10. La Butte Rouge – Yves Montand
11. Les Canuts – Yves Montand
12. Liberte – Charles Trenet
13. Le Drapeau Rouge – Luis Zuccha
14. La Complainte De Mandrin – Yves Montand
15. La Marseillaise – Django Reinhardt

7曲目のフランスの女優サブロンが力強く歌う「パルチザンの歌」は、YouTube動画でも聴くことができる。

Le Chant des Partisans(パルチザンの歌)

Ami, entends-tu le vol noir des corbeaux sur nos plaines?
Ami, entends-tu les cris sourds du pays qu’on enchaîne?
Ohé! partisans, ouvriers et paysans, c’est l’alarme!
Ce soir l’ennemi connaîtra le prix du sang et des larmes!



友よ、見える? 飛び交うカラスの黒々した群が
友よ、聞こえる? 国民(くにたみ)の声なき叫びが
おゝ、パルチザン、労働者、農夫たち お告げよ!
今宵、敵は知ることになるわ 血と涙の代償を!

Montez de la mine, descendez des collines, camarades!
Sortez de la paille les fusils, la mitraille, les grenades.
Ohé, les tueurs à la balle ou au couteau, tuez vite!
Ohé! saboteur, attention à ton fardeau: dynamite!


坑道を上がるのよ、丘を降りるのよ 仲間たち!
藁から取り出すのよ 銃を、散弾を、手榴弾を
おゝ、銃やナイフを手にした殺し屋ども 殺(や)るのよ!
おゝ、破壊工作班 ダイナマイトに気をつけて!

C’est nous qui brisons les barreaux des prisons pour nos frères,
La haine à nos trousses et la faim qui nous pousse, la misère.
Il y a des pays ou les gens au creux de lits Font des rêves;
Ici, nous, vois-tu, nous on marche et nous on tue, nous on crève.


私たちよ 兄弟たちのため、監獄の鉄格子を破るのは
私たちにつきまとう憎しみ、飢え、貧困
寝床で夢を見ていられる国だってあるのに
ここでは踏みつけられ、殺されかねないわ

Ici chacun sait ce qu’il veut, ce qui’il fait quand il passe.
Ami, si tu tombes un ami sort de l’ombre a ta place.
Demain du sang noir séchera au grand soleil sur les routes.
Sifflez, compagnons, dans la nuit la Liberté nous écoute.


ここでは誰もがわかっているわ やるべきことを
友よ、あんたが倒れても 誰かが引き継ぐわ
路上の血だまりも 明日の太陽が乾かすのよ
口笛を吹きなさい 今宵、自由は私たちの声を聞くはずよ

Ami, entends-tu le vol noir des corbeaux sur nos plaines?
Ami, entends-tu les cris sourds du pays qu’on enchaîne?
Oh oh oh oh oh oh oh oh oh oh oh oh oh oh oh oh…


友よ、見える? 飛び交うカラスの黒々した群が
友よ、聞こえる? 国民(くにたみ)の声なき叫びが
オーオーオー…


(しみずたけと) 2020.5.31