映像で知るパレスチナ

全映画リストにもどる

物語編

DVD画像
  • パラダイス・ナウ
  • 監督:ハニ・アブ・アサド
  • 2005年・仏/独/蘭/パレスチナ(90分)
  • 《 善悪の二元論は無意味だ 》

イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区にあるナブルスの町。若者たちはみな希望のない日々を送っている。幼なじみのサイードとハーレドもそうだった。ある日、ヨーロッパで教育を受けた女性と出会ったサイード。二人は互いに惹かれ合うのだが、サイードはハーレドとともにテルアビブでの自爆攻撃実行者に指名されてしまう。

泥沼のパレスチナ問題を、自爆攻撃をする側の視点から問い直す作品。なぜ彼らはそのような手段に出るのか。彼らの葛藤する心の内側に迫りながら、それを肯定するわけでもなく、彼らを生み出す背景を描き出す。そもそも「パレスチナ問題」と言うが、パレスチナ側が問題を起こしているのか?問題の根源はイスラエルの建国であり、百歩譲っても、その膨張政策にあることは間違いない。つまり「イスラエル問題」と呼ぶのが正しいはずだ。歴史を知った上で、情緒でなく論理と理性で見るべき映像。

★★★ 絶対おススメ

自爆攻撃要員に選ばれた二人の男。実行すれば英雄になれる。その代わり、家族や友人、恋人とは二度と会えない。誰しも命は惜しい。命が大切なのは、自爆の巻き添えを食う人たちも同じだ。しかし、他に方法があるか?その揺れ動く心を、私たちは想像したことがあるだろうか。善悪の二元論なんてクソ食らえだ!相手は戦車やミサイルを積んだヘリで殺戮をおこなっている。テロはどっちだ?ブラック・ライヴズ・マターになぞらえてみよう。イスラエル政府が膝で制圧し、パレスチナ人はいまにも窒息しそうな状態に置かれている。やむなく殴る、蹴るという抵抗をせざるを得ない。それに対して発砲するイスラエル。「どっちもどっち」…などでは断じてない。宗教戦争でもない。これは人権侵害であり、生存権の剥奪であり、政治の問題なのだ。

★★★絶対おススメ

多くの映画にレイティングの星を付けて来たけれど、パレスチナの若者の話にほんとうは星を付けたくはない。映画の出来がどうとかはどうでもいい。ヨルダン川西岸地区の街、ナバルスに住む若者たち、かれらには人生の選択肢がない、展望がない。かれらの根底では占領者イスラエルへの憎しみが抵抗する気力を支え、自爆テロの任務が割り当てられれば、遂行するのが当然と考える。けれども、笑い、怒り、愛し、生きて充実した人生を送りたいのはどこの国の若者も同じはず。サイードとハーレドの二人組もそんな若者だが、イスラエル側テル・アビブでの自爆テロの任務が与えられた。紐を引けば、胴回りに巻かれた爆破装置が作動する。自分ではずすことはできない。

西岸地区にはイスラエル軍による100ヵ所もの検問所がある。イスラエルの入国許可証を持つ者は通過できる。仕事、商売とさまざまな用事で毎日何万人と言う人が通過する。けれど、検問は厳しく、何時間も列にならばなければならなかったり、遅いと騒げば銃で威嚇されたりする。時には殺される。急病人や妊婦が待たされて死亡する例はあとを絶たない。付き添いの医療従事者が殺されたりもする。こうして西岸地区の住民は押し込められている。移動の自由がない。つまり、人権がない。2020年12月の今もイスラエル兵に殺されている人がいる。

封じ込めに起因する経済の停滞、貧困は深刻だ。 若者たちの閉そく感、絶望は増していくばかり。遠く離れたこの地、日本では想像すらしにくいものの、人権を無視されている彼らの生活は「戦争」よりもリアルに感じられる。なぜ、こうなったのだろう、イスラエル政府と国民はどうするのだろう。

DVD画像
  • オマールの壁
  • 監督:ハニ・アブ・アサド
  • 2013年・パレスチナ(97分)
  • 《 イスラエルへの抵抗 》

オマールは真面目なパン職人。彼が暮らすパレスチナは、イスラエルが建設した高い分離壁によって生活圏は分断され、友人や恋人に会うこともままならない。それでも危険を承知で高い壁を乗り越える。ある日、仲間と共にイスラエル兵の狙撃を企てるが、すぐにモサド(イスラエルの秘密警察)に捕まってしまう。激しい拷問。捜査官は釈放の条件として仲間の情報を要求する。必死の抵抗を続けるのだが…。イスラエルへの抵抗に立ち上がったパレスチナ人青年が辿る過酷な運命を描いた社会派ドラマ。

DVD画像
  • ガザの美容室
  • 監督:タルザン・ナーセル、アラブ・ナーセル
  • 2015年・パレスチナ/仏/カタール(84分)
  • 女はいつだってたくましい

パレスチナのガザ地区。ロシア移民のクリスティンの小さな美容室はお洒落を楽しむ女性たちでいつも大賑わい。街を歩くときはヒジャブを着用しても、女にとってお洒落は大切なこと。いつも通り順番待ちをしていると、突然、外で銃声…。戦火の絶えない過酷な日常。そんな中でも、たくましく生きる女性たちの姿を描く人間ドラマ。

DVD画像
  • テルアビブ・オン・ファイア
  • 監督:サメフ・ゾアビ
  • 2018年・ルクセンブルク/仏/イスラエル/ベルギー 97分
  • 《 紛争や爆撃でなく笑いを! 》

サラームはエルサレム在住のパレスチナ人青年で、パレスチナの人気ドラマ「テルアビブ・オン・ファイア」のプロデューサーを務める叔父のもとで雑用やヘブライ語の言語指導をしている。撮影所に通うために、毎回面倒なイスラエル軍の検問所を通らなければならない。ある日、検問所の司令官アッシがサラームを呼びとめた。彼の妻が「テルアビブ・オン・ファイア」の熱心なファンで、サラームを番組の脚本家だと勘違いしたのである。いろいろ自分のアイデアを強引に押しつけてくるアッシに困ったサラーム。適当に受け流すのだが、ある案が実際に採用され、成り行きでサラームは脚本家に昇格。ところがその後がいけない。まるでアイデアが浮かばないのだ。今度はアッシに協力を求める羽目に…。

パレスチナの人気メロドラマの制作現場を舞台に、脚本家見習いとして参加していたパレスチナ人青年が、ストーリーの展開をめぐってパレスチナ人とイスラエル人の対立に巻き込まれていくさまをユーモラスに描いた異色コメディ。

ドキュメンタリー編

DVD画像
  • アルナの子どもたち
  • 監督:ジュリアノ・メール・ハミス
  • 2003年・イスラエル/パレスチナ(84分)
  • 《 その思い、誰が引き受ける? 》

1989年、イスラエルの平和運動家アルナ・メールは、パレスチナのジェニン難民キャンプ内に「支援と学習」という子どもたちのための事業を開始した。その活動は、1993年、オスロ合意と和平の機運を背景に、スウェーデン議会から「もうひとつのノーベル平和賞」を与えられ、彼女はその賞金をもとに子ども劇団を設立、息子のジュリアノが指導にあたる。

絶望と暴力に満ちたキャンプで、芸術を通して自由と人権、将来の夢を教えていこうとしていた矢先、和平が破綻。2002年4月、イスラエル軍は後に「ジェニンの虐殺」と非難される大規模な攻撃をしかけた。再訪したジュリアノがそこで見たものは、子ども劇団のメンバーたちのその後の人生と死だった。

この作品は、占領と圧迫の中で短い人生を燃やし尽くした若者たちへのオマージュであり、彼らとの友情の記録である。ひとりひとりに、もっと別の人生があったに違いない。なぜそれがかなわなかったのか。私たちが自ら問い直すべきだろう。チェコ共和国人権ドキュメンタリー国際映画祭の最優秀作品賞を受賞した作品である。

監督ジュリアノ・メール・ハーミスは2011年4月4日、ジェニン難民キャンプで暗殺された。 彼は1958年にユダヤ人の平和活動家の母とパレスチナ人の父の元に生まれた。母アルナ・メールはパレスチナ難民の子どもたちの支援活動にスウェーデン議会から「もうひとつのノーベル平和賞」を与えられた。この賞金を元に2006年、ジェニン難民キャンプに「自由劇場」を設立し、 子どもたちの心の支えとなっていた。

https://bessho9.info/wp/gaza-rap#juliano

DVD画像
  • レインボー
  • 監督:アブドゥッサラーム・シャハダ
  • 2004年・パレスチナ(41分)
  • 《 虹のイメージとは正反対 》

私が通り過ぎてきた人々がいる。ある者は、涙を浮かべながら建物の残骸から立ち上がった。ある者は、自らを苛む不安を解決する道を探していた。そしてまたある者は、現実に直面し、疲れ果てていた。皆、私にそっくりだった。私はかつてカメラを愛していた。カメラは痛みを伝え、悲しみを忘れることができると信じていたのだ。いや、私が信じていたのは、希望やより良い人生といったものだったのかもしれない…。占領下で破壊され、奪われ続けるパレスチナの人々の生活と生命。その痛み、悲しみをレンズに焼きつけるかのようにカメラはまわる。

題名のレインボーはイスラエル軍のガザ地区を攻撃する作戦命令である。ガザの状況は、およそ虹のイメージとはかけ離れている。失った娘の人形や買ってやったばかりの服を瓦礫の中に探す男を移す映像は悲痛でしかない。2004年5月のイスラエルの作戦で、ガザ南部で死んだ人たちを訪ねる、花の貯蔵用冷蔵所は遺体安置所に変わり、それも一杯になった。イスラエル軍の戦車はなおも町の中に居座り続けている。検問所では何時間も待たされ、時には通れない。

DVD画像
  • ガーダ パレスチナの詩
  • 監督:古居みずえ
  • 2005年・バイオタイド(106分)
  • 《 自立した女性の生き方を貫く 》

ガザ地区の難民キャンプで生まれ育ったパレスチナ人女性ガーダ。イスラエルによる圧政、封建的な男社会。そうした中でも、自立した女性としての生き方を貫く彼女の姿、年長の女性たちから故郷を奪われた体験の聞き取りをおこなうジャーナリストの側面が描かれる。パレスチナで、女性や子どもたちに焦点を当てた取材活動を続けてきた古居みずえらしさが色濃くあらわれたドキュメンタリー作品。

DVD画像
  • パレスチナ1948・NAKBA
  • 監督:広河隆一
  • 2008年・バイオタイド(131分)
  • 《 世界のほとんどが、何も知らない 》

1948年、イスラエルが誕生し、それと引き換えに70万人以上のパレスチナ人が難民となった。この事件をパレスチナ人はNAKBA(大惨事)と呼ぶ。そして世界のほとんどが、何も知らない。

40年にわたってパレスチナ問題を追い続けているフォトジャーナリスト広河隆一が、生活の場を破壊され、追い出されるパレスチナ人のいまなお続く苦難の歴史を、数万枚の写真、千時間を超える映像をもとに、明らかにしていくドキュメンタリー作品。

DVD画像
  • 届かぬ声 ― パレスチナの占領と民衆 ― 4部作
  • 監督:土井敏邦
  • 2009年・シグロ
  • 《 パレスチナで起きている現実 》

2002年春、イスラエル軍のヨルダン川西岸への侵攻作戦のなかで起こったバラータ難民キャンプ包囲とジェニン難民キャンプ侵攻。カメラは、2週間にも及ぶイスラエル軍の包囲、破壊と殺戮にさらされるパレスチナの人びとの生活を記録する。

同じ頃、イスラエルの元将兵だった青年たちがテルアビブで写真展を開く「沈黙を破る」と名づけられた写真展は、“世界一道徳的”な軍隊として占領地に送られた元兵士たちが、自らの加害行為を告白するものだった。占領地で絶対的な権力を手にし、次第に人間性や倫理、道徳心を失い、“怪物”となっていった若者たち。彼らは、自らの人間性の回復を求めつつ、占領によって病んでいく祖国イスラエルの蘇生へと考えを深め、声を上げたのだ。

監督は、ジャーナリストとして20数年にわたりパレスチナ・イスラエルを取材してきた土井敏邦。数百時間にも及ぶ映像を、長編ドキュメンタリー映画として完成させた本作では、イスラエル軍がパレスチナ人住民にもたらした被害の実態と共に、“占領という構造的な暴力”の構図を、人びとの生活を通して描き出している。

時に絶望的に見える抑圧をしたたかに生き抜くパレスチナの人びと、そして、「祖国への裏切り」という非難に耐えながらも発言を続けるユダヤ人の若者たちの肉声は、「パレスチナ・イスラエル問題」という枠を越え、人間の普遍的なテーマに重層的に迫る(商品説明から)

第1部 ガザ「和平合意」はなぜ崩壊したのか(125分)

1993年の「和平合意」が、パレスチナ住民の真の平和につながらなかった現実とその原因を、ガザ地区最大の難民キャンプ・ジャバリアに住む、ある家族の6年間の生活を通して描く。

第2部 侵蝕 イスラエル化されるパレスチナ(121分)

家屋を破壊され居住権を奪われる東エルサレムのパレスチナ人住民たち。“分離壁”によって土地と資源を侵蝕され、国家建設の基盤を失っていく人びとの現実とその苦悩を描いていく。

第3部 二つの“平和” 自爆と対話(126分)

自爆攻撃に走ったパレスチナ人青年の遺族の証言、自爆テロの犠牲となった少女の両親や、生還した女性兵士と家族の「平和」観を通して、対話を試みるイスラエル人・パレスチナ人双方の“平和観の断層”を描く。

第4部 沈黙を破る(130分)

イスラエル軍の侵攻により破壊と殺戮にさらされるパレスチナの人々の姿を描くと同時に、戦争により“怪物”と化したイスラエル軍の元兵士による告白をカメラに収め、人間という存在そのものの根源を見つめる。中東を精力的に取材するジャーナリスト土井敏邦による『声―パレスチナの占領と民衆―』4部作の完結編。

DVD画像
  • ぼくたちは見た ガザ・サムニ家の子どもたち
  • 監督:古居みずえ
  • 2011年・アジアプレス 86分
  • 《 封鎖されたまち 封じ込められない、真実 》

2008年から09年にかけて行われたイスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への攻撃。300人以上の子どもを含む1400人が犠牲になった。本作は、攻撃直後の現地に足を踏み入れた古居みずえによる、『ガーダ パレスチナの詩』につづくドキュメンタリー作品。子どもたちが体験した過酷な現実と心の傷が伝わってくる

DVD画像
  • Women in Struggle -目線-
  • 監督:ブサイナ・ホーリー
  • 2014年・パレスチナ 56分
  • 《 パレスチナという名の牢獄の壁を壊すまで 》

元政治犯のパレスチナ女性たちが、イスラエルの刑務所に収監されていた時の闘いの記憶を呼び覚ました時、現在の彼女たちの生活や将来にどのような影響を与えるのか。このドキュメンタリー映画は、パレスチナの独立を獲得するための闘いの中で、姉妹、母親、妻としての規範的な役割の枠を越えて、違う役割を担った4人の女性たちに焦点をあてている。ナレーションは一切なく、女性たちは過去の耐え難い経験や現在のパレスチナでの日常生活を送る上での困難を自らの言葉で証言する。彼女たちは既にイスラエルの刑務所からは出たが、自らの内に刑務所を抱えながら、今もインティファーダ(民衆蜂起)が続くパレスチナという、より大きな『牢』で日常を送っている。(商品説明から)

DVD画像
  • 『ガザに生きる』― 5部作
  • 監督:土井敏邦
  • 2015年
  • 《 パレスチナ・ガザ地区の実態 》

イスラエルによる封鎖と砲爆撃で、ガザは瀕死の状況にある。1993年の「和平合意(オスロ合意)」で「中東の香港」を夢みた住民たちの希望は粉砕された。何がガザの状況を生みだしたのか。パレスチナを代表する人権活動家ラジ・スラーニの解説を通して、第1次インティファーダ(1986年)からガザ攻撃(2008~09年)までのガザの歴史を映像でたどる。

第1章・ラジ・スラーニの道(52分)

ガザの名家に生まれ育ったラジ・スラーニは、イスラエル占領下の民衆の過酷な状況と闘うために弁護士となり、政治活動にも身を投じた。5年近い獄中生活と拷問体験という試練を乗り越え、人権弁護士として活動を続けるラジの半生を追いながら、ガザに生きる人びとの“生”と“思い”を伝える。

第2章・二つのインティファーダ(82分)

占領への怒りが爆発した第1次インティファーダ(民衆蜂起)は、パレスチナ社会の変革運動でもあった。だが、その結末の「オスロ合意」が“占領の合法化”だったことを知った民衆の失望と怒りは、第2次インティファーダとして表出する。この過程を主導したアラファトPLO議長の歴史的な功罪は何だったのか―ガザの指導者たちが総括する。

第3章・ガザ撤退とハマス(67分)

2005年夏、イスラエルはガザから撤退した。その真の目的は何だったのか、イスラエル人・パレスチナ人双方の証言からを探る。一方、イスラム抵抗運動「ハマス」はこの「ガザ撤退」を支持拡大に利用した。占領下で窮乏する民衆を支援する“慈善組織”の顔と、占領に武力で抵抗する“武装組織”の2つの顔を持つハマスの実態と、その陰を描く。

第4章・封鎖(84分)

ガザを実効支配したハマスと、これを支持する民衆への“集団懲罰”として、イスラエルはガザ地区の“封鎖”を強化した。住民は食料や医薬品など生活必需品の不足に苦しみ、移動の制限のため海外での治療や仕事の機会さえ奪われてしまう。一方、崩壊したガザ経済の下、若者たちは失業し将来へ希望も断ち切られる。

第5章・ガザ攻撃(86分)

イスラエルのガザ攻撃(2008年12月~2009年1月)は約1400人(7割が民間人)の犠牲者を出した。被害は人命や家屋に限らず、工場や農地など産業基盤も破壊された。その被害の実態をガザ住民の遺族や関係者の証言を元に詳細に報告する。一方、この攻撃を90%を超えるイスラエル国民が支持した背景を、有識者たちの声から探る。

(土井敏邦ウェブサイトから)
http://doi-toshikuni.net/j/life_in_gaza/

DVD画像
  • ガザ攻撃 2014年夏
  • 監督:土井敏邦
  • 2015年(124分)
  • 《 攻撃はガザ住民に何をもたらしたのか 》

2014年7月8日に始まったイスラエル軍の大規模な空爆とその後の地上侵攻によって、約2150人が犠牲となった。その7割近い1400人は一般住民だった。破壊された家は2万戸を超え、数十万の住民が新たに避難民となった。

被害はそれだけではない。ガザの農業や工業、発電所など生活・産業基盤までもが破壊され、さらに強化された封鎖によって、攻撃の終結後もガザ住民の生活を麻痺状態に陥った。

あの攻撃はガザ住民に一体何をもたらしたのか。イスラエルは何を狙ったのか。甚大な被害を蒙った民衆は、統治者「ハマス」にどういう感情を抱いているのか。戦渦のガザ地区を30日にわたって取材した日本人ジャーナリストの報告である。

(土井敏邦ウェブサイトから)
http://doi-toshikuni.net/j/attack_on_gaza/

DVD画像
  • アミラ・ハス:イスラエル人記者が語る“占領”
  • 監督:土井敏邦
  • 2019年(237分)ネ
  • 《 本当は身近なパレスチナ 》<本当は身近なパレスチナ

イスラエル人でありながら長年パレスチナで暮らし“占領”の実態を世界に伝えてきたジャーナリスト、アミラ・ハス。ホロコースト生存者の両親を持つユダヤ人でもある彼女の報道はイスラエル内外で高い評価を受け数々の国際賞を受賞してきた。これはアミラ・ハスの日本各地での8回の講演と沖縄取材を集約した4時間のドキュメンタリー映画である。

前編(119分)

第1章・取材現場 2017年7月・ヨルダン川西岸
分離壁の現場/襲撃されるヨルダン川西岸の村/イスラエル人の“特権”を占領の構造と闘う武器に

第2章・アミラ・ハスと占領
ジャーナリストへの道/ジャーナリストとしての役割と危険/イスラエル人としての限界

第3章・パレスチナ側の“占領”
占領の実態/「移動の自由」の制限/ガザの移動制限/西岸の移動制限/構造的暴力/占領・分離の心理的影響

第4章・イスラエル側の“占領”
「占領は終わった」イスラエル人/イスラエル人の人種主義/占領の“利益”を享受する

後編(118分)

第5章・パレスチナ内部の問題
ファタハ・自治政府の実態/ハマスの実像/民衆を犠牲にした内部抗争

第6章・イスラエル内部の問題

第7章・沖縄とパレスチナ

【第1部】アミラ・ハスの沖縄取材
 金城実/池原秀明/伊佐真次/金城武政/高里鈴代/知花昌一/佐喜眞道夫/金井創

【第2部】パレスチナと沖縄の接点
 ジャン・ユンカーマン氏との対談
 共通点と相違点/沖縄への差別/デラックス占領/支配権力の二重構造

第8章・欧米と日本の責任
米国の同盟国としての日本の責任/政治的不行動の“口止め料”/「危険な国家」に必要な外からの圧力

第9章・抵抗と暴力
占領と抑圧と戦う権利と義務/「崇拝の対象」となった武装闘争/武装集団に乗っ取られた民衆蜂起

最終章・ジャーナリズム
民衆が情報源/言論の自由と知る義務/「中立・客観」報道とは/危険地の取材/“怒り”が原点

(土井敏邦ウェブサイトから)
http://doi-toshikuni.net/j/amirahass/

DVD画像
  • ヨルダン川西岸
  • 監督:土井敏邦
  • 2019年(347分)
  • 《 国連「オスロ合意」はどこへ行った? 》

パレスチナ国家」実現の希望は閉ざされようとしている。西岸最大の都市ヘブロンでは、ユダヤ人入植者たちの脅迫と暴行によって住民の生活と生命が脅かされ、ヨルダン渓谷と南ヘブロンではイスラエルによって土地や水資源が奪われる一方、入植地が増殖され、着実に“イスラエルへの併合”へ道をたどりつつある。ヨルダン川西岸で起きている“構造的な暴力”の実態と背景を報告する。

第1部 ヘブロン

《第1部》73分/《第2部》71分
西岸最大の都市ヘブロン。パレスチナ人20万人が暮らすこの街の中心部に800人ほどのユダヤ人入植者が住み着き、彼らを守るため数百人のイスラエル兵と警察官が常駐する。街の中心で暮らすパレスチナ人の家屋は没収・買収され、そこは次々と入植地に変っていく。そのヘブロンの現状と共に、入植者やイスラエルの軍と警察による日常的な恐喝や暴行に怯えながらも、先祖代々の家と土地を死守しようとするパレスチナ人住民たちの闘いとその声を伝える。

第2部 ヨルダン渓谷

《2007年4月》54分
ヨルダン渓谷最大の農村に住み込み、住民の生活とその環境をつぶさに追う。また近隣のユダヤ人入植地の実態と、「生きるため」に入植地で働かざるをえない住民の“経済的な従属化”の現状と背景を描く。

《2016年11月》58分
イスラエルは、戦略上の重要性からヨルダン渓谷の“併合”をめざす。そのためにパレスチナ人住民の土地や水資源を収奪し、生活に不可欠なインフラ整備を阻止することによって、住民の“間接的な追放”を狙う。そのイスラエルによる土地や水資源の収奪の実態、被害住民の「オスロ合意」観、“土地”に対する思いを、証言によって報告する。

第3部 南ヘブロン

《第1部》43分/《第2部》48分
イスラエル政府によって「軍事制限区域」に指定されたパレスチナ人の15の村々。住民は村で暮らすことが「違法」とされ、イスラエルの軍や警察によるインフラ整備の妨害や家屋破壊、土地没収にさらされる。一方で、ユダヤ人入植地が次々と建設され、入植者による住民への恐喝・暴行が横行する。それらは、“「C地区」併合のための住民追放”というイスラエルの政策の一環であることを、2人のイスラエル人専門家が解説する。

(土井敏邦ウェブサイトから)
http://doi-toshikuni.net/j/westbank/

DVD画像
  • ガザ 素顔の日常
  • 監督:ガリー・キーン、アンドリュー・マコーネル
  • 2019年・アイルランド/カナダ/独 92分
  • 《 あなたの知らないガザの素顔 》

常に軍事的な緊張状態にさらされるガザ。しかし、ここにも日常があり、普通の人々が普通に暮らしている。地中海に面した美しいビーチ。サーファーやラッパー、大学生たち。あなたの全く知らないガザ地区へご招待!

東京23区の6割ぐらいの狭い場所に、パレスチナ人約200万人が暮らすガザ。人々は貧困にあえいでいる。イスラエルが壁で囲み、封鎖しているため、物資は不足し、移動の自由もない。人はここを「天井のない監獄」と呼ぶ。知らなくてはいけない。日常を力強く生きようとする人々がいることを。

DVD画像
  • 『WALL』英語字幕版
  • 監督:シモーヌ・ビトン
  • 2004年・仏 97分
  • 《 壁が象徴するものは… 》

イスラエル政府は、入植によって奪い取った地域をパレスチナ人の土地から分断すべく、世界が「アパルトヘイト壁」と呼んで非難する分離壁の建設を進めている。ある場所は高いコンクリート障壁、またある場所は有刺鉄線で覆われたフェンスで、要所要所に監視塔と銃座を設け、通行人に対しては厳しい検問をおこなっている。

壁が歴史的に重要な景観を破壊し、一方の民族を監禁するものであるのは否定しがたい。しかしインタビューの中で、壁の必要性と正当性を主張するイスラエル国防大臣は、最終的に500キロメートルを超える長さになるであろう壁が自然環境と政治環境に影響を与えることはないと、ぶっきらぼうに答えるのみである。その一方で、「この分離壁は我々の心臓に栄養を送る動脈を塞いでいる」と、落胆しながら語るイスラエル人も登場する。壁の一方では入隊を拒む若者がおり、もう一方では洗濯物を干す女性がいる。壁を望んでいるのはいったい誰なのか…。

DVD画像
  • 壊された5つのカメラ パレスチナ・ビリンの叫び
  • 監督:イマード・ブルナート、ガイ・ダヴィディ
  • 2011年・パレスチナ/イスラエル/仏/蘭(90分)
  • 《 息子の成長記録が目的だったが… 》

パレスチナの民主抵抗運動の中心地であるビリン村で農業を営んでいたイマード・ブルナートは、四男ジブリールの誕生を機にカメラを手に入れた。息子の成長する様子と共に、村の耕作地を強制的に奪った「分離壁」の建設に怒った村人たちの非暴力デモを記録するイマード。撮影中、銃撃によって、事故によって、彼のカメラは何度も壊れた。だが、その度に新しいカメラを手に入れ、息子の姿や友人たちの闘い、そして拡大していく入植の実態を見つめていく。(商品説明から)

DVD画像
  • 自由と壁とヒップホップ
  • 監督:ジャッキー・リーム・サッローム
  • 2008年・パレスチナ/米(94分)
  • 《 音楽の力で分断を乗り越える! 》

初のパレスチナ人ヒップホップ・グループのDAM。彼らの音楽は年齢や性別、国境さえも超え、希望を失った若者や女性、子どもたちに夢を与えていた。DAMの影響で、他の地域でもヒップホップを始める若者が増え始め、抑圧に押し込められていた感情をメロディにのせ、苦難に立ち向かう勇気を生み出していく。DAMを中心に、ラマラに各地のパレスチナ人ヒップホップ・グループを集め、音楽フェスティバルを開こうとするが、彼らの居住地はイスラエルが建設した分離壁や検問所などにより遮られていた。占領と貧困にあえぐパレスチナで、ヒップホップと出会った若者たちが、音楽の力で差別や分断などの壁を乗り越えようとする姿を、ジャッキー・リーム・サッロームが力強く描くドキュメンタリー。

★★★ 絶対おススメ

音楽がメッセージであることを再認識させてくれる作品。ロック、レゲエ、ブルース、みんなそうだった。海外のミュージシャンは積極的に政治にコミットするが、日本では「政治と音楽は別」とでも言いたげで、政治的発言をする者は稀だ。音楽だけではない。絵画、映画、写真、文学、芝居、どれも何らかのメッセージを含んでいる。本作を見た若いラッパーが口にした「この国のヒップホップは形だけなんだよね」が忘れられない。

★★★絶対おススメ

人には幸せに暮らす権利があるのに、この若者たちにはそれがないがしろにされている。街は砲撃で荒れ、住宅も被害を受けた。子どもが遊ぶ公園もない。人々は失業し、貧困に陥っている。電気も一日に数時間しか通じず、水にも不足する。 医療機関も整っていない。が、少なくとも彼らにはラップがある。ラップで自分たちを表現し、抵抗の意を示す。ガザ地区のさまざまな街でDAM、PRといったラップ・グループがライブやラジオ出演を行う。女性のアビールもいる。DAMやPRやほかのラッパーが親の声援を受けているのに対して、彼女は両親や親せきに反対されているため、内緒でライブに出演する。 ガザ地区内には検問所がいくつもあり、自由に行き来できない。彼らが集ってライブを行うのは不可能に近いが、彼らは何とか実現させようとする。 彼らは精一杯生きている。ライブでガザの子どもたちに力を与える。彼らには幸せになってもらいたい。

ドキュメンタリーフィルム
「自由と壁とヒップホップ」 ガザのラッパーたち

DVD画像
  • ルート181 (英語版)
  • 監督:ミシェル・クレフィ、エイアル・シヴァン
  • 2003年・ベルギー/仏/英/独(275分)
  • 《 体験の共有を目指して 》

1947年の国連決議181条で採択されたパレスチナ分割案の境界線。それを「ルート181」と名づけたパレスチナ人クレイフィとイスラエル人シヴァンの両監督が、南から北へ、境界線沿いに旅をする。道すがら出会うユダヤ人やアラブ人の言葉に耳を傾け、このルート181に凝集された様々な人々の過去や現在をカメラに収めていく。

近東の「現実」における悲劇的な状況は、人間が作り出したイデオロギー的かつ病的な構造だ。作り出したのが人間である以上、人間によって解体できないはずがない。私たちが本プロジェクトで求めるものは「体験の共有」である。現実に対して、そして現実に応じて行動するために、私たちは幻想化や神秘化をせず、あるがままに受け入れる準備がある。両監督の言葉である。南部(86分)、中部(104分)、北部(85分)の三部構成で、2005年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で最優秀賞を受賞した作品。日本語版のリリースが望まれる。

DVD画像
  • パレスチナからフクシマへ
  • 監督:土井敏邦
  • 2018年(56分)
  • 《 これは犯罪だ 》

イスラエル建国で故郷を追われ、空爆や砲撃で家と家族を失ったガザのパレスチナ人は、原発事故で故郷を追われた“フクシマ”に何を観るのか。「第二のノーベル平和賞」受賞者、パレスチナの人権弁護士ラジ・スラーニが飯舘村への旅と村民との対話の中で、“パレスチナ”と“フクシマ”の普遍性を探っていく。

(土井敏邦ウェブサイトから)
http://doi-toshikuni.net/j/palestine_fukushima/

DVD画像
  • 戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン
  • 監督:マーク・ジョンストン
  • 2020年・米 95分
  • 《 ワインで知るレバノン 》

レバノンは中東の小国だが、古くから地中海の交易の中心地で、世界最古のワイン産地のひとつでもある。その起源は5000年以上も遡ることができ、現在も約50のワイナリーが点在している。「レバノンワインの父」と称されるシャトー・ミュザールの二代目セルジュ・ホシャールをはじめ、内戦中にワイン製造を始めた修道院の神父や、虐殺が起きた故郷の村を再興させるためにワイナリーを続ける夫婦らを紹介。過酷な状況下でもワインを造り続けてきた11のワイナリーの人々が、その人生哲学や幸福に生きる秘訣を語る。『食べて、祈って、恋をして』の著者で、レバノンワインをこよなく愛する作家エリザベス・ギルバート、著名なワイン評論家ジャンシス・ロビンソンらの話も盛り込まれている。

内戦や周辺国との軍事衝突が相次ぎ、不安定な情勢ばかりが報じられるレバノン。戦争に翻弄されながらも、不屈の精神でワイン製造を続けてきたレバノンのワインメーカーに焦点を当てたドキュメンタリー。

DVD画像
  • ノー・アザー・ランド 故郷は他にない
  • 監督:バーセル・アドラー、ユヴァル・アブラハーム
  • 2024年・ノルウェー/パレスチナ 95分
  • 《 パレスチナとイスラエル。立場を越えて手を取り合う二人の若きジャーナリストに世界中が声援と喝采! 》

ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区。イスラエル軍が進める問答無用の破壊行為の実態を記録し続けるパレスチナ人バーセル・アドラーと、自国政府の非人道的な暴虐に心を痛め、バーセルへの協力を申し出たイスラエル人ユヴァル・アブラハーム。二人の若きジャーナリストが、パレスチナのあまりにも理不尽な実情を命懸けで撮影していく姿と、ともに過ごし対話を重ねる中で立場を超えて友情が芽生えていくさまを、2023年10月までの4年間に渡り記録したドキュメンタリー。


ページ先頭へもどる
【パレスチナ】のページへもどる

全映画リストにもどる

ホームページTOPへもどる