Church Bells of England


《キャロル・オブ・ザ・ベルズ》でケルン大聖堂の鐘が紹介されていました。ムスリムなどキリスト教徒以外の人たちも多く暮らすようになったとは言え、今でもまだヨーロッパはキリスト教文化圏なのですね。ま、ユダヤ教もキリスト教もイスラム教も、根っこの部分は同じと言うか、つながっていると言うべきか…。同じ場所、砂漠の文化の中に生まれただけあって、私にすれば「どこが違うの?」と言いたくなるくらい似かよっています。アブラハムもモーセもマリアもイエスも、みーんなイスラム教の中に存在しているもんな。似ているからこそ、争いが絶えないということなのかもしれないけれど…

 さて、そのキリスト教文化も、奥底にはケルト文化が地下水脈のごとく流れたりしていて…。異教徒への伝道の過程で、土着の信仰を採り入れていくのは良くある話。ハロウィンなど、まさしくそれ。まもなくやって来るクリスマスをはじめ、ジルヴェスター、ニュー・イヤー、イースター、季節の行事の中心にあるのは教会だし、誕生、洗礼、結婚、死といった人生の儀式にも教会が関わってきたわけで、そのたびに鐘が鳴らされるわけですね。

 YouTubeで“Church Bells”をキーワードに検索すると、あるわ、あるわ…。教会の鐘って、こうやって鳴らしているのか。複数あるから音階が可能なのだな。ハンドベルはそのミニチュア版というところか。そのうち人力ではなくコンピューター制御になるかもしれないな、などと思いながら、この機会に教会の鐘が奏でる音楽でも聴いてみるとするか。そんなCDが…、ありました!


::: CD :::

Church Bells of England

 ダイアナとチャールズの結婚式がおこなわれたセント・ポール大聖堂、彼女やエリザベス女王の葬儀の場となったウェストミンスター寺院、何度か紹介したアカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズの拠点である聖マーティン教会など、主にロンドンの教会の鐘の音が収録されています。聖クレメント・デーンズ教会は英国空軍との縁が深く、聖メアリー・ル・ボウ教会はディック・ウィッティントンと猫の物語で知られ、聖オラフ・ハート・ストリート教会は、文豪チャールズ・ディケンズの作品に登場、稀代の日記作家サミュエル・ピープスの墓所があるのもここです。

1. St. Mary Redcliffe, Bristol
 Little Bob Maximus (12 bells)

2. St. Paul’s Cathedral
 Stedman Cinques (12 bells)

3. St. Vedast, Foster Lane
 Cambridge Surprise Minor (6 bells)

4. St. Lawrence, Jewry
  Spliced Surprise Major (8 bells)

5. St. Giles, Cripplegate
 Cambridge Surprise Maximus (12 bells)

6. St. Clement Danes, Strand
  London Surprise Royal (10 bells)

7. St. Sepulchre, Holborn Viaduct
 Stedman Caters (10 bells)

8. St. Mary-le-Bow, Cheapside
 Bristol Surprise Maximus (12 bells)

9. St. Olave, Hart Street
 Stedman Triples (8 bells)

10. St. Michael, Cornhil
  Londinium Surprise Maximus (12 bells)

11. St. Bartholomew the Great, Smithfield
  Grandsire Doubles (5 bells)

12. Westminster Abbey
  Stedman Caters (10 bells)

13. St. Martins-in-the-Fields
  Yorkshire Surprise Maximus (12 bells)

14. St. John the Baptist, Burford, Oxon
  Double Norwich Court Bob Major (8 bells)

15. St. Leonard, Blediinton, Gloucestershire
  Cambridge Surprise Minor (6 bells)

16. St. David, Moreton-In-Marsh, Gloucestershire
  Kent Treble Bob Major (8 bells)


(しみずたけと) 2022.12.18

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「Church Bells of England」への3件のフィードバック

  1. Little Bob Maximus だとか、 Stedman Cinques だとか、不思議な名前が付いているけれど、いったいどんな意味なんだろうと、シャカシャカ検索してみた。どうやら、ベルの鳴らし方を「曲」とみなして付けられた名称らしい。

    たとえば、1700年前後に生きた著述家兼「鐘撞きメソッド」の指導的立場だったFabian Stedmanは「作曲家」のひとり。そのような「作曲家」の名前、ベルの数、ベルを鳴らすグループ(ひとりがひとつのベルの引き綱を引く)が住んでいた村や町の名前、さらには何か面白そうなことばを組み合わせて付けられたらしい。

    Maximusはベルが12個、Cinquesは11個、Catersは9個だとか。何が何だかよくわからないけれど、おおよそ、以上のことのようだ。

    もっと訳が分からないのが、ダイアグラムと呼ばれる譜面だ。一度や二度説明してもらったところで理解できそうもない。

    ダイアグラム
    https://www.ecosia.org/images?q=ringing%20method#id=A7D6DDB43084C608F65C5AA53686516CCDF74B38

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