名もなきひとりひとり 

コンパニエ ジョリ・モーム Compagnie Jolie Mome、パリで活動するミュージカル・グループです。すてきな人たちです。すてきなパフォーマンスを披露しています。例えば、パリのカルチェ・ラタンのムフタール通りの街角で。

下のビデオは ベル・ルージュ フェスティバル 2018 でのパフォーマンス。仮設劇場です。演奏曲目はSans La Nommer「名もなきひとりひとり」(題名は私訳)。下に掲げた歌詞の後半、太字にした部分は演者がこれらすべての権力に抗った人々を讃えて一気に口上を述べるところです。圧倒されます! ぜひ聴いてみてください!

Sans La Nommerはジョルジュ・ムスタキが作曲し歌ったものです。ムスタキは昔、日本でもたいそう人気があり、来日していたのを覚えています。この曲も歌っていたのでしょうか。ジョリ・モームの歌のレパートリーはこれまで広く歌われてきたものと、彼らのオリジナル曲の両方です。

ベル・ルージュ フェスティバル 2018 より ”Sans la nommer” 約7分

名もなきひとりひとり
Sans La Nommer

名前を明かさず、あの娘について話そう
片思いの恋人を語るように
目覚めようとする、生き生きとした娘
太陽の下、輝く未来に

打ちのめされ、 追跡され、追い詰められ
そして彼女は立ち上がり
苦しみ、ストを決行
鎖につながれ し
裏切られ、見捨てられ
それでも生きる勇気を授けてくれる
彼女にならついて行きたい
どこまでも

名前は明かさずに、彼女にオマージュを捧げよう
五月の美しい花、野生の果実
両足でしっかりと大地にたつ娘
そして気の赴くままに生きる娘

名前は明かさず、彼女について話そう
愛され、憎まれ、でも忠実な彼女
あなたにも紹介したい
人は彼女を永久革命と呼ぶ

【 敬意を表し、以下を連呼します。】

戦艦ポチョムキンの水平たちのために
弾圧された評議会の平和主義者

クラオン(塹壕戦の)謀反兵
サッコとバンゼッティ
ローザ・ルクセンブルグとK.リープクネヒト
1936年のスト参加者
オビエドの炭鉱扶
スペイン内戦の義勇兵
アナーキストの兄弟たちの勇気を讃えて
レジスタンスの兵士
マヌシアンとその二十二人の仲間たち
レジスタンスの外国人たち闘士たち
シャロンヌ駅で踏み倒されたデモ参加者
1961年10月17日、セーヌに投げ込まれたアルジェリア人
ビクトル・ハラ
1968年の900万人のスト参加者
チェ・ゲバラとそのゲリラ仲間
リバプールの港湾労働者
ソウルの労働者
アメリカの経済政策に苦しむキューバ人民のために
チュニジア人民

モロッコ人民
クルド人
トルコの囚人
アルジェリア人民とカビールの仲間たちのために

アルゼンチン人民
旧ユーゴ人民
チェチェン人民
南北のコリア人民
ルワンダとスーダンの人民
シエラ・レオネ人民

サラウィの民
ブラジルの土地なし農民
ジンバブエの農民
チアパスのインディオ
ムミア・アブ・ジャマル
レオナール・ペルチエ
合衆国の牢獄で処刑されたすべての無実の囚人のために
ナタリー・メニゴとその仲間の政治犯
「オーバーステイ」の人たち
路上生活者、失業者の闘いのために
ロム
セザレ・バッティスティ
コート・ジボワールの人民のために
コンゴ、そしてハイチの人民
イラク人民
パレスチナ人民
そしてイスラエルの平和主義者
その数はまだあまりにも足りないけれども

ジョリモームのホームページ https://cie-joliemome.org/

   

< DVD >

2004年にビデオプレスから発売された20分のDVDがあります。
タイトル「歌は何のために

DVDでは歌に日本語の歌詞が付けられています。全8曲の歌詞はこちら歌は何のために」でごらんいただけます。

日本語歌詞は http://vpress.la.coocan.jp/jorikasi.html より引用しました。


(Ak.)  2020.5.16

「名もなきひとりひとり 」への1件のフィードバック

  1. いい歌ですねね。
    名前を連呼するところが泣かせます。
    こういう歌、日本にはないのでしょうか?
    ないなら、誰かつくってくれ~。

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