暮らしが壊れていく!!

2か月前に、いくつかの大手企業が赤字でもないのに先を見越して人員削減、というニュースを新聞で見た。6月7日の夕刊には「揺らぐ正社員の安定雇用」という見出しで「希望退職」とは名ばかり。大手企業に勤める50代の男性は、人事評価が急に下がったのを機に上司から希望退職の応募を勧められた。転職先の候補は介護などの非正規職ばかり。給料も3~4割減ると言う。

この頃のテレビの特集で「住宅ローン破産」を見た。同じような50代の男性。30代で結婚、住宅ローンを組み新居を持ち、子どもにも恵まれた。50代になり急に人事評価が下がり給料も大幅ダウン、子どもはまだ高校生。教育ローンの負担は大きく、仕方なくコンビニでアルバイト。睡眠時間は2時間。ついに病気になって奥さんと子どもは出てゆき家は競売に。他人事だろうか?身につまされて涙が出てきた。

今年は希望退職を募る企業が急増している。米中摩擦など世界経済の雲行きが怪しくなり、売り上げを伸ばす自信を無くした経営者が安易にコスト削減に走っているように見える。それを投資家が「先を読んで手を打った」(大手ファンド幹部)と評価する流れも出来つつある。このタイミングで産業界から出てきたのが日本型雇用の見直しだ。

すでに就職氷河期世代が生まれ20年。引きこもりや心を病む中年は珍しくない。政府は企業側でなく、国民の立場に立ってどんな政策を考えているだろうか?目先の株価維持に走って、国民の暮らしが崩れていく。将来が見えない非正規労働者が増えてゆく。 自己責任で貧困と格差が乗り切れるのだろうか。 K.S.