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核・原発

犠牲者への鎮魂歌
長崎の鐘
監督:大庭秀雄  1950年・松竹 94分

1932年、長崎医科大学卒業直前に急性中耳炎で片耳が聞こえなくなった永井隆は、それを機に放射線科の道を邁進。満州事変に軍医として従軍後、クリスチャンの洗礼を受け、下宿先の娘・緑と結婚するが…。

1945年8月9日、長崎で被爆した永井隆博士の崇高な生涯を、松竹大船の名匠・大庭秀雄監督が叙情的に描いた人間ドラマ。戦後まもない時期に博士が原爆と平和について綴った同名随筆はベストセラーとなり、それをモチーフにした藤山一郎の歌も大ヒット。本作はその流れを受けて企画されたもので、当時はGHQ占領下ゆえにあからさまな原爆批判を避け、あくまでも伝記映画という建前ではあったが、観客はこれが原爆と戦争の犠牲になった人々に捧げる鎮魂歌であることを、肌で察知できていた。そんな時代であった。なお、本作が公開された翌51年5月1日、永井博士は死去。博士の著書のひとつ『この子を残して』も、後に木下恵介監督のメガホンで映画化(83年)されている。(増當竜也―商品説明から)

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映画制作そのものが反戦
ひろしま
監督:関川秀雄  1953年・北星 104分

北川が受け持つ高校3年生のクラスで、生徒が鼻血を出して倒れる。原爆による白血病が原因だった。クラスの3分の1の生徒が被爆者。疎開作業中に被爆し、川の中で絶命した姉。建物の下敷きになり、炎に包まれた妻を助けることができなかった父。みな、なにかを背負っていた。原爆投下から75年は草木が生えないといわれた広島に大根の芽が出たとき、人々はその芽に希望を見いだす。

長田新の『原爆の子』を八木保太郎が脚色。8万人を超す広島市民のエキストラ出演を得、原爆投下直後の広島を再現するなど、この作品の制作そのものが関川秀雄の反戦の意思表示である。ベルリン国際映画祭で長編劇映画賞を受賞。

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消えない原爆の惨禍
原爆の子
監督:新藤兼人  1952年・北星 100分

瀬戸内海の島で教師を務める孝子は4年ぶりに故郷・広島の街を訪れる。戦後復興の兆しの中、かつての教え子の家庭で目撃したのは未だ残る原爆の惨禍。元使用人の岩吉爺さんに偶然出会った孝子は、その窮状に胸を打たれ、岩吉の孫を島に連れ帰ることを申し出るが…。

昭和20年8月6日、広島に原爆第1号が落とされ、20万人を超える犠牲を出した。その広島の子供たちが綴った文集「原爆の子」をヒントに、新藤兼人が脚色と監督、近代映画協会の第1回自主製作作品。心身に大きな傷を受けつつも、雄々しくけなげに生きていく少年少女の姿を感動的に描く。

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広島、長崎、そしてビキニ…
第五福竜丸
監督:新藤兼人  1959年・大映 110分

1954年3月1日未明、太平洋ビキニ環礁沖で操業中のマグロ漁船、第五福竜丸の無線長・久保山愛吉ほか23人は、突然の閃光に続き、巨大なキノコ雲を目撃する。降り注ぐ白い灰、原因不明の熱傷。焼津に帰港した彼らは、自分たちが米軍の水爆実験に巻き込まれたことを知る。それは“死の灰”と共に日本中を震撼させた、第五福竜丸事件の幕開けだった。

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原爆は犠牲者を選ばない
さくら隊散る
監督:新藤兼人  1988年・独立映画センター 112分

第二次大戦中、演劇や映画などを挙国一致体制下に置くべく、日本移動演劇聯盟が結成された。「新築地」「新協」両劇団の強制解散後、活動の場を失った丸山定夫ら新劇人は移動演劇団「櫻隊」を組織し、日本各地の巡演の旅に出る。東京大空襲により、租界を余儀なくされた櫻隊の行き先は広島。そして運命の日、1945年8月6日、原爆投下。爆心地から程遠からぬ所にいた櫻隊9名のうち、丸山、園井恵子、高山象三、仲みどりの4名は救助されるが、それは新たな悲劇の始まりだった。『原爆の子』以来、しばしば核問題に取り組んできた新藤監督が、記録映像や証言と再現場面を織り交ぜた手法で、原爆の災禍に新たな光をあてた問題作。

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静かだが強烈な反戦映画
この子を残して
監督:木下恵介  1983年・松竹 128分

1945年8月9日、長崎に原爆が投下された。そこで妻を亡くした放射線医学博士の永井隆は自らも被爆しつつ、ふたりの子供を必死に育てながら、戦争と原爆の記録をしたためていくが…。

『長崎の鐘』などでも知られる永井隆の同名手記を原作に、名匠・木下恵介監督が戦争と原爆への怒りを露わにしつつ、親と子の深い絆を描いたヒューマン映画。永井博士がカトリック信者だったことにも倣ってか、ここでは宗教的ともいえる静謐なタッチが貫かれており、木下映画の粋を知る名優たちも厭戦の意を口にすれども、決して声高に叫び訴えることはしない。しかし巨大オープン・セットで再現された当時の浦上地区を一気に破壊させながら、原民喜の原爆詩『水ヲ下サイ』に曲を付けた歌と共に原爆投下後の地獄絵図をオペラのようにラストで見せつけるという大胆かつショッキング、そして秀逸な構成は映画史上類を見ない、いわば究極の反戦映画としての貫禄すら知らしめる。木下監督の後期を代表する傑作である。(増當竜也―商品説明から)

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「はだしのゲン」につづく作品
白い町ヒロシマ
監督:山田典吾  1985年・現代ぷろだくしょん 103分

学童疎開中に原爆で母と姉、弟を失った体験を綴った木村靖子の同名小説をもとに、新藤兼人が脚本を執筆。平和な家庭が、戦争と原爆によって壊されていく過程を描くことにより、戦争への怒り、命の尊さを訴え、親兄弟を失った子供たちに、愛と豊かな心を持たせようとする教育者になろうとする人間像を見せてくれる。主題歌を作詞作曲した小椋佳が自身で歌う平和への願い。

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原爆にさえ遭わなければ…
黒い雨
監督:今村昌平  1989年・東映 123分

広島に原爆が投下された時、郊外の疎開先にいた矢須子は直後に降ってきた真っ黒な雨を浴びてしまう。5年後、叔父夫婦に引き取られた矢須子のもとに縁談の話が持ち込まれるが、「ピカに遭った女」という噂からいつも破談になってしまう。叔父は矢須子が直接ピカに遭っていないことを証明しようと必死になるのだが…。原爆で人生を狂わされた一人の若い女性と温かく見守る叔父夫婦のふれあい、被爆後遺症に苦しむ人々の姿。井伏鱒二の同名小説を、今村昌平が静かに、そして淡々と描いた映画。

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あなたは忘れていませんか…
広島・昭和20年8月6日
演出:福澤克雄  2005年・TBS/毎日放送 140分

今から60年前――。

広島と長崎に落とされた原爆で 少なくとも十数万人の尊い命が奪われ、今なお被爆の後遺症に苦しんだり、心に計り知れない悲しみを抱える人が大勢います。

世界で唯一の被爆国、日本。その事実を、あなたは忘れていませんか…。

この作品には、2003年放送したドラマスペシャル『さとうきび畑の唄』のスタッフによるドラマ史上初と「原爆ドーム」の原寸大復元を試み撮影を行うという迫力と壮大なスケールの作品であると同時に平和への強いメッセージが込められています。

米国が原爆を落としてくることなど露ほども知らず、明日への平和を信じて懸命に生きた姉弟たちの昭和20年7月16日から8月6日までの20日間の物語――。(商品説明から)

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原爆は世代をこえて…
夕凪の街 桜の国
監督:佐々部清  2007年・アートポート 118分

【夕凪の街】 原爆投下から13年が過ぎた広島の街。平野皆実は母との二人暮らし。弟の旭は戦時中に叔母夫婦の家に疎開し、そのまま養子になっていた。ある日、職場の同僚から告白されるが、原爆投下時の悲惨な光景がよみがえり、逃げ出してしまう。

【桜の国】 21世紀の東京に住む七波。一緒に暮らす定年退職した父親の名は旭。このところ、なにやら行動が怪しい。ある日、そっと後をつける。着いたところは、なんと広島。どうやら昔の知り合いを訪ね歩いているようだ。からみあった糸をほぐすように、だんだんと見えてくる自分の縁。

漫画とアニメの両方でブレイクした『この世界の片隅に』の作者、こうの史代が2004年に文化庁メディア芸術賞マンガ部門大賞、第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞した同名漫画を映画化した人間ドラマ。過去と現在、ふたつの物語を絡めながら、原爆が世代を超えてもたらす悲劇を静かに描く。ぜひ漫画も手にとってほしい。【夕凪の街】の最後の方にある一節が頭から離れない。

十年経ったけど
原爆を落とした人はわたしを見て
「やった! またひとり殺せた」
とちゃんと思うてくれとる?

双葉社、2004年、ISBN 978-4-575-29744-7、800円
双葉文庫、2008年、ISBN 978-4-575-71343-5、476円

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あの長崎から今の日本へ
爆心 長崎の空
監督:日向寺太郎  2013年・パル企画 98分

こちらに父母と三人暮らしの長崎大学三年生。平凡だが幸福な日常をおくる日々だったが、母親とちょっとした喧嘩があった日、その母親が心臓発作で亡くなった。突然の死を受け入れられない彼女…。あちらに一人娘を失った主婦。悲しみを癒やせないまま、まもなく一周忌を迎える。妊娠がわかったものの、気がかりなことがあった。生みたいという思い、再び子どもを失うのではないかという恐れ、その間で心が揺れ動く…。大切なものをなくした二人が出会ったのは浦上天主堂の近く。やがて心を通わせるようになるのだが…。

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現代は証言の時代である…
いしぶみ
監督:是枝裕和  2016年・広島テレビ 85分

1945年8月6日、原爆の犠牲となった広島の旧制広島二中の一年生321人がどのような最期を遂げたのか。1969年、広島テレビが遺族の手記をもとに、広島出身の女優・杉村春子を語り部に起用して制作したドキュメンタリー番組『碑』は大きな反響を呼び、芸術祭優秀賞やギャラクシー賞を受賞した。本作は、終戦70年の2015年、広島テレビがリメイクし、同年8月に放送されたドキュメンタリー番組の劇場版である。朗読を担当するのは、広島出身の女優・綾瀬はるか。

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ここから始まる…
アニメ:はだしのゲン
監督:真崎守  1983年・共同映画全国系列会議 85分

世代を超えて読み継がれる作品であると同時に、一部の人にとっては子どもに読ませたくないモノ、それが中沢啓治の『はだしのゲン』である。図書館の書架から取り除けという主張を思い起こしてほしい。この作品は、漫画に留まることなく、実写版も作られているが、これは劇場アニメ版。

戦争末期、広島の国民学校に通う中岡ゲンは、父親が戦争を批判したために「非国民の子」と呼ばれていた。その父を、姉と弟とともに原爆で奪われてしまう。ショックで早産した母と生まれたばかりの赤ん坊の面倒を見ながら、ゲンは必死に生きる。亡くした弟に似た孤児を連れ帰り、家族としていっしょに暮らし始めるのだったが…。

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永遠に語りかけるもの
アニメ:はだしのゲン2
監督:真崎守  1986年・映画センター全国連絡会議 86分

ゲンは小学4年生になった。広島の街は、まだ復興が始まったばかり。いたるところに戦争の傷痕が残っていた。ゲンは妹(早産で生まれた赤ん坊)や弟分(連れ帰った孤児)らと力を合わせ、母親を助けて懸命に生きていく。しかし放射能は母親の身体を蝕みつつあった。戦争や原爆が過去のものではないという現実を、今に生きる私たちに語りかける。劇場アニメ版『はだしのゲン』の第二弾。

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戦争が奪う小さな幸福
アニメ:クロがいた夏
監督:白土武  1990年・映画センター全国連絡会議 65分

戦争中のある日、少女はカラスに襲われていた子猫を助け、家に連れて帰る。反対していた父親も最後には同意し、人間の食事にも苦労する中、新たな家族となった子猫のクロと毎日を楽しく過ごしていた。しかし、そうした生活は突如として…。『はだしのゲン』の中沢啓治が、戦争中に飼っていた猫との実体験をもとに書いた作品をアニメ化したもの。

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作者が伝えたかった原爆のこと
アニメ:黒い雨にうたれて
監督:白土武  1984年・全国配給委員会 95分

広島の原爆は投下後も黒い雨となって人々の上に降り注いだ。浴びた本人だけでなく、その子孫にまで影響を及ぼし続けている放射能。戦争が終わって半世紀以上が経ったが、今なお後遺症に苦しむ人たちは少なくない。被ばく者である中沢啓治がこのアニメ作品で伝えたかったこと。それは、原爆の本質、被ばくとは何か、被ばくするとどうなるのか、未来を築くために私たちが何をすべきかを考えてほしい、そうしたメッセージだと思う。

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静かにしのびよる人類最後の日
渚にて
監督:スタンリー・クレイマー   1959年・米 135分

1964年、第3次世界大戦―核戦争―が勃発。世界全土に放射能汚染が拡がり、南半球のオーストラリア周辺の一部を除いて、人類は死滅してしまった。本国に帰港できなくなったアメリカの原子力潜水艦はメルボルンに入港するが、その地にも死の灰は迫っていた。そんな時、潜水艦の艦長タワーズは解読不能の無電を傍受した。発信地は全滅したはずのアメリカ。はたして生存者がいるのか…。(商品説明から)

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コメディーと笑っていられない
博士の異常な愛情
監督:スタンリー・キューブリック  1964年・英/米 93分

妄想に取り付かれた米戦略空軍基地司令官。あろうことか、配下にあるB52の編隊にソ連への水爆投下を命じてしまう。一方、ソ連には核攻撃に対して自動的に作動する人類滅亡装置が…。両国首脳が協議し、B52には引き揚げの命令が下るのだが、通信系統に故障を起こした一機だけが引き返さないという不測の事態が起きてしまう。司令官の誤り、通信の不調…、人間も機械も完璧ではないのだから、「ありえない」ことではない。しかし、現実には「ありえない」完璧さを前提としたシステムが世界を支配している。本作は「それでいいのですか?」と問いかける。冷戦下の米ソで、偶発事故から第三次世界大戦が起こりかねない不安な時代をパロディ化した、スタンリー・キューブリックによるブラック・コメディーの傑作。

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世界の終わりが、かくもイージーに…
クリムゾン・タイド
監督:トニー・スコット  1995年・米 115分

ロシアでクーデターが勃発。反乱軍が核施設を制圧し、日本と米本土を核攻撃すると脅しをかけてきた。弾道ミサイルに燃料注入を開始、数時間後には発射が可能になるという情勢。米海軍はベテランの艦長と新任の副長を乗せた潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)搭載のトライデント級戦略原潜アラバマを派遣する。「核攻撃準備」の暗号伝が入り、発射準備する中で敵潜水艦と遭遇。新たな暗号伝は魚雷戦のため途切れてしまった。はたして核攻撃のGOサインなのか、それとも中止命令だったのか…。核攻撃の指令をめぐり、艦長と副長が対立する。

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わかっている者ほど見るのが辛い
アニメ:風が吹くとき
監督:ジミー・T・ムラカミ  1986年・英 85分

イギリスの田舎で静かに暮らしている老夫婦。世界情勢が戦争に向かう中、夫は政府が出した核戦争に対するパンフレット片手に、核シェルターの準備を始める…。放射能の恐ろしさについては無知な二人は、核が使用された後に日常生活に戻ろうとするのだが、だんだん身体に変調をきたす。原爆被害国の私たちにとっては、先がわかっているだけに、見ていて辛くなってしまう。ほのぼのとした表情と愛情あふれる会話が、悲しみをさらに倍加させる。『スノーマン』で知られるレイモンド・ブリッグスが、核戦争の恐ろしさを描いて話題になった絵本をアニメ化したもの。デヴィッド・ボウイが主題歌を歌っている。日本語吹き替え版は大島渚が監修、森繁久哉と加藤治子が担当した。

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アメリカの中学生だって真剣に考えている
魔法のランプのジニー
監督:スティーヴン・ソーター、トレイス・ゲイナー  2006年・米 17分

カ米国の学校教科書にも原爆のことは書かれているが、「巨額を投じて開発され、ヒロシマとナガサキに落とされた」という記述だけだ。疑問を抱いたシカゴの中学生2人が1年間をかけ、マンハッタン計画に携わった当時の関係者や核の専門家たちにインタビューし、原爆がなぜ、どのように製造されたのか、本当に必要だったのかを聞いてまわり、広島市長の秋葉忠利(当時)にも取材している。12歳の子どもらしく、独創性に満ちあふれた、それでいながら緻密によく練られ、しかもユーモアもまじえた意欲的なドキュメンタリー作品を作り、原爆の本当の恐ろしさ知らない若者や大人に伝えようとしている。東京平和映画祭で上映され、高い評価を受けたほか、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の間、会場の国連本部でも上映された。

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死ぬことは苦しい、生きることも苦しい、でも…
生きていてよかった
監督:亀井文夫  1956年・日本ドキュメントフィルム 52分

1955年8月6日、第一回原水爆禁止大会で被爆者救済運動の一つとして企画されたこの映画は、亀井文夫が原水爆反対のためにとった最初の作品である。広島・長崎の原爆投下直後の無残な街から、被災者たちの10年後の悲しい日々の生活を紹介し、悲しみの不幸の中から力強く生きる人々を、詩情ゆたかに描いた、厳粛な美しさに感動迫る記録映画である。
(亀井文夫の映像作品を管理する日本ドキュメントフィルム社による解説)

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誰がために科学はある?
世界は恐怖する 死の灰の正体
監督:亀井文夫  1957年・三映社 82分

二十世紀科学が生んだ原子力は、一歩誤まれば人類を絶滅にみちびく悪魔の化身となりかねない。「一歩誤まれば…」、それが当時の受け止め方だったのだ。原水爆実験が生み出す“死の灰”の恐るべき実体を伝え、全世界の良心に訴える長篇記録映画。

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国境のない核汚染
ヒバクシャ 世界の終わりに
監督:鎌仲ひとみ   2003年・グループ現代 116分

確実に世界を覆い尽くそうとしている国境のない核汚染。使われる側にも使う側にも等しく被害をもたらす核。普通に生活している人々が知らぬ間に被爆し、ゆるやかに殺されていくという現実。この世界は見る事も、感じる事もできない核汚染の環境のもとで生きる、イラク、アメリカ、そして日本の人々の日常の姿を記録し、彼等、ヒバクシャの声を伝えるために作られた。

1991年、世界で初めて劣化ウラン弾という兵器が使われてから私たちは新たな各時代に生きることとなった。それは普遍的な放射能汚染の現実を生きるということ。イラクで死に続けているがんや白血病の子どもたちの出会いから私の「ヒバクシャ」を追う旅が始まった。生活することがそのまま被曝につながるこの現実はすでに私たち全員に及んでいる。各時代を生きる私たちは核のなんたるかを知らないままにヒバクシャとなりつつある、その内実を描いた。

- 監督 鎌仲ひとみ

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政府は認めない、ふり返らない
核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝
監督:マルク・プティジャン  2006年・アップリンク 53分

広島原爆の被爆者であり、被爆者治療と核廃絶運動に献身した医師の肥田舜太郎が、自身の体験をもとに、内部被曝および低線量被曝の実態と危険を訴えるドキュメンタリー。『311以降を生きる:肥田舜太郎医師講演より』も収録されている。

2006年にフランスのマーク・プティジャン監督が描いた本作は、日米両政府が被爆者の実態を隠してきたことを明らかにし、原爆投下から七十年余り経ち、福島原発事故が起こった後でも、日本政府の対応がなんら変わっていないことを訴えるドキュメンタリーである。

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免疫力を上げる食べ方で放射能に負けない!
放射線内部被曝から子どもを守るために
2011年 23分

福島第一原発事故で、放射能汚染が拡大。食物連鎖を通して内部被曝の危険に直面しています。今すぐ急がれるのは、被曝にもっとも弱い子どもたちを守ること。ヒロシマ・ナガサキとチェルノブイリの悲惨な実態を教訓に、放射能による健康への影響をわかりやすく紹介。被曝を少しでも減らすために、日々の食生活の工夫と、これからも続く汚染に負けないために、免疫力を上げる食べ方・暮らし方を提案しています。(商品説明から)

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未知なる危機に備えて
内部被ばくを生き抜く
監督:鎌仲ひとみ  2012年・環境テレビトラスト 80分

2011年3月に起きた東日本大震災によって原発が4つも爆発してしまった、その後の世界に私たちは生きている。大量の放射性物質が放出され、広範囲に拡散したことは解っているが、ではどれだけ出たのか実は正確な情報がない。放射性物質は環境に溶け込み、生態系に入り込んだ。呼吸や汚染された水・食品を通じて引き起こされる内部被ばくは、この時代に生きる私たち全員の問題となった。

これからいったい 何が起きるのか、正確に予測できる人は実はいない。ただできることはありとあらゆる情報と可能性を吟味して、「命」を守る努力をするということだ。放射能は様々な局面で「命」の脅威となりえる。私たちは生き抜かなければならない、そのためのささやかな助けになればとこの作品を作った。(商品説明から)

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サスペンス劇ではあるが…
チャイナ・シンドローム
監督:ジェームズ・ブリッジス  1979年・米 122分

テレビ番組で原発を取材中、キャスターのキンバリー・ウェルズとそのクルーは事故の現場に立ち会ってしまう。しかし上からの圧力で、取材内容がオンエアされることはなかった。事故調査の後、運転を再開した発電所では、エンジニアが原発の欠陥を発見。それを知ったキンバリーは彼の協力を得て、この事件を世間に公表しようとするのだが…。この映画の全米公開直後、スリーマイル島原子力発電所で炉心溶融事故(メルトダウン)が起き、原発の安全性が注目されることになった。

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人間というずさんな生物が核を…
シルクウッド
監督:マイク・ニコルズ  1983年・米 133分

核燃料工場に勤めるカレン・シルクウッド。彼女の唯一の楽しみは、離れて暮らす子どもに会うことだった。そのために彼女が工場を休んだとき、工場では放射能漏れ事故が起こり、会社は責任回避のため、無理に休みを取ろうとしたカレンの仕業との噂を流す。会社の不正を見逃せなかったカレンは、さらに調査を進めるうち、会社の核管理のずさんさ、データのごまし、従業員が被ばくしていたことを知り、告発を決意する。重要な証拠となる書類を手にしたカレンは、車でニューヨーク・タイムズの記者に会いに行く途中、「居眠り運転」で事故死する。資料のファイルは車から消えていた…。1974年、全米を揺るがした「カレン・シルクウッド事件」を忠実に映画化した問題作。カレンの微妙な心理を見事に表現しきった若きメリル・ストリープがすばらしい。

最後に、日本のシンガーソングライターである館野公一の最初期(1978年頃)の作品、「カレン・シルクウッドのバラッド」 の歌詞の一部を記しておこう。

さあさ皆さん聴いとくれ これから始まるお話を
テレビなんかじゃちょいと聴けない お代は聴いてのお帰りだ
オクラホマの片田舎 広い砂漠の真ん中で
大きな灰色の工場が建っていた
いつの間にやら出来ていた
外から見てもなんにも解らない 煙も出ないし 火も出ない
でも中に入ろうと思ったら ガードマンに玄関払い
何を隠そうこの工場 原子炉で使う核燃料を作ってる
でも近所の人たち 何にも知らなかった 放射能のことなんか
冬の国道74号線 高速道路は知っていた
カレンに何が起きたのか 誰がカレンを殺したか

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もうフィクションとは呼べない
みえない雲
監督:グレゴール・シュニッツラー  2006年・独 103分

ハンナはどこにでもいるドイツの普通の高校生。少しばかり口うるさい母親と弟の三人暮らしだ。学校の授業で、先生の質問に答えられないでいた彼女を、転校生のエルマーが助けてくれる。それ以来、エルマーが気になるハンナ。ある日、ハンナは誰もいない教室でエルマーの告白を受けるが、その時、原発事故を伝える警報が鳴り響く。母親は出張で家にいない。一人残された弟を連れて逃げるため、家に駆けつけるたハンナだったが、放射能を帯びた雲が迫ってきた。街はパニックに陥っている。 チェルノブイリ原発事故の翌年に発表され、大反響を呼んだベストセラー小説を映画化。原子力発電所の事故により、放射能という見えない恐怖に襲われた市民がパニックに陥る様子、突然の惨事によって引き裂かれる若い男女の運命が描かれる。

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けっきょく利権争い
原子力戦争 Lost Love
監督:黒木和雄  1978年・ATG 106分

東北の海辺に男女の心中死体があがった。法事に出かけたきり戻らない女を連れ戻そうと、東京からやって来たやくざの青年は、心中の片割れが自分の「女」だったことを知る。死ぬ理由が思い当たらない。なにか裏があるに違いない。死因を追求する彼の前に黒い罠が…。田原総一朗の同名のドキュメンタリー小説を映画化した社会派サスペンス劇。原発誘致をめぐる賛成派と反対派の利権争いに巻き込まれていく個人の姿は、昔も今も変わらない。

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これはテロか?
太陽を盗んだ男
監督:長谷川和彦  1979年・東宝 147分

どこにでもいそうな中学の理科教師が、東海村の原子力発電所からプルトニウムを盗み出し、自宅で原子爆弾を作り上げてしまう。核テロリストになった彼は、プロ野球のTV中継を最後まで見せろとか、ローリング・ストーンズの日本公演をやれなどの要求をする。

これはテロか?そんな要求なら、かなえてやればいいじゃないの。ジュリーとストーンズの競演なんて、みんな喜ぶのだからさ…とはいかないのが現実。今や原爆製造方法はインターネット上で見つけることができるし、行方がわからない放射性物質は世界中にゴマンとあるらしい。事態はこの映画が作られたときよりずっと深刻になっていることを肝に銘じて見たい作品だ。

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電力行政を逆手にとって
東京原発
監督:山川元  2002年・ザナドゥー 110分

都民の圧倒的な人気を背景に、都知事は局長会議の席上で、財政再建の切り札「東京原発建設」を宣言。推進、反対の両意見が乱れ飛び、会議は大混乱。同じ頃、大量のプルトニウム燃料がフランスから船で到着し、陸揚げされる。政府は、反対派の抗議を避けるため、極秘裏にそのプルトニウムを陸路で福井県の原発まで運ぼうとしていた。それが…。

電力の大消費地は都会なのに、原発立地は法律によって過疎地に限られている。建設する地元には「原発は安全」「重大事故は起こさない」という説明がなされる。安全なら、なぜわざわざ送電ロスが生ずる遠隔地に?矛盾に答えずにきた日本の電力行政を逆手にとった、カリスマ都知事の「原発誘致」、そして大混乱をきたす東京。痛快なブラック・コメディだが、そろそろ本家本元の行政にも答えを出してほしいものだ。

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単なる原発批判ではない
朝日のあたる家
監督:太田隆文  2013年・渋谷プロダクション 118分

静岡県の自然に囲まれた町。農業を営む両親と、都会に就職して一人暮らしを夢見る大学生の長女、その妹。そんなごく平凡な家庭を、ある日、大地震が襲う。原子力発電所では事故が発生。何カ月たっても家に帰れず、一家は避難所暮らし。父は仕事を失い、母はノイローゼ、妹は病気になってしまう。原発事故によって悲劇に見舞われる家族の姿を描くドラマ。

長いものに巻かれろの日本社会では、この種の映画制作はタブーへの挑戦と同義語である。一年を超える原発事故取材、福島の被災者、原発従業員の証言をもとにしたシナリオ作成。時間経過、テレビ報道、官邸発表も福島の事故時と同じ形で表現することで、単なる原発批判ではなく、原発事故に巻き込まれたらどうなるのか、その恐怖や不安を体感できる作品になっている。

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ブラック・ユーモア…?
学校に原発ができる日
監督:越坂康史  2013年・劇団・学校に原発をつくらせない会 92分

日本で唯一、原発を保有する高校。その科学部が舞台である。この部は、発電だけでなく、副次的に発生する放射線(たとえばX線など)を校内の問題解決に利用していたのだった。つまり、この原発は生徒や教職員みーんなにとってありがたーい存在というわけ。ところが、好事魔多し。ある日、地震と津波によって発電システムが崩壊、放射能汚染を引き起こすことに…。

原発を管理運営するだけの能力があるくらいだから、さぞや優秀な学校と思いきや、なんとなく普通の生徒と先生たち。よくぞ文科省が設置認可したものだ。経産省との省益争いはどうなったのか―などというツッコミは、ここではやめておこう。だけど学校に原発があれば便利だろうな。冷暖房で一年中快適に勉強できるし、お湯もシャワーも使い放題。起きて困る事故は起きないことにしておこう…。これはブラック・ユーモアの風刺劇なのか?メリットばかり喧伝してきた国の原子力政策からすれば、シンボリックな縮図でしかない。いや、この国が丸ごとブラックなのかも…。この作品が笑っているのは、日本という国であり、私たち日本国民なのだ。

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国は何を守ろうというのか
太陽の蓋
監督:佐藤太  2016年・太秦 130分

津波によって甚大な被害を生んだ東日本大震災。原発事故がそれに追い打ちをかけた。2011年3月11日からの5日間に焦点を当て、不足する情報と混乱の中で事故の対応に当たった政権を、メディアの視点から再現した社会派ドラマである。

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故郷を離れられない人たち
ナージャの村
監督:本橋成一  1997年・日本/ベラルーシ 118分

1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発事故。ベラルーシ共和国は放射能汚染地帯となり、ドゥヂチ村の300世帯が移住を余儀なくされた。警官が常駐し、許可証のない外部の人間は一切入ることのできない村だが、故郷に執着する6家族が今なお生活を続けている。自分たちで収穫した作物を食べ、ふつうに生活する人々。カメラは村の少女ナージャを中心に、彼ら・彼女らの四季を通じた生活を追う。

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放射能警戒区域に住む人びと
プリピャチ ~放射能警戒区域に住む人びと~
監督:ニコラウス・ゲイハルター  1999年・オーストリア 100分

チェルノブイリ原発事故から12年。その後を記録するべく、取材班は原発からわずか4キロに位置するプリピャチの町に向かった。原発とその関連施設で働く人々や、健康リスクをわかった上で帰還し、ここで生活する高齢者たちの姿を追う。

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チェルノブイリは終わらない
チェルノブイリ・ハート
監督:メアリーアン・デレオ  2003年・米 60分

チェルノブイリ原発事故が起きたのは1986年4月26日。私はGWの山スキーを尾瀬で楽しんで帰る途中、カーラジオでこの事故を知った。ベラルーシ共和国には高濃度汚染が続く地域で生活することを余儀なくされる人たちがいる。事故から16年、生まれた子どもたちの多くに障がいが発生している実態を、取材班は明らかにしていく。

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消えた故郷、失われた未来
石棺と再生 チェルノブイリ―プリビャチ
監督:田中昭二  2008年 63分

1986年4月26日、ソビエト連邦(現ウクライナ共和国)のチェルノブイリ原子力発電所4号炉がメルトダウンの後に爆発、大量の放射能が大気中に放出され、20世紀最大の事故として世界を震撼させた。周辺30キロ圏内の住民(12万人)は強制避難、人影は消え、多くの町や村が地図から消えることとなった。隣接するプリビャチの街は、世界で最も広大な「廃墟」として、静かに再生の時を待っている。22年が過ぎた現在、少しずつではあるが、立ち入りが許されるようになっている。聳えるコンクリートの塊と緑の自然との鮮やかな対比。置き去りにされたものたちに降りそそぐ震える光は、漂い続ける見えない放射能に影を落とす。廃墟映像の鬼才・田中昭二が自ら撮影編集。ナレーションを排し、見つめることの意味を問う。一種の廃墟モノなのだが、チェルノブイリ原発の事故がもたらした傷痕を知るための材料になるだろう。

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誰が保証できるのか
100,000年後の安全
監督:マイケル・マドセン  2010年・デンマーク/フィンランド/スウェーデン/伊 79分

現在、原発から出る大量の高レベル放射性廃棄物の最終処分場は皆無と言って良いだろう。中間貯蔵施設と呼ばれる暫定的な場所に置かれているだけだ。フィンランドは、いち早く、固い岩盤の地下深くに永久地層処分場の建設を決めた。封鎖された後、10万年間保持されるというのだが、誰が保証できるのだろうか。10万年後の人類が、今の私たちの言語や記号を理解できるとは限らない。古代人の遺跡か墓か、あるいは宝物かもしれない…。学術調査や好奇心から、絶対に開けてはならないこの扉に手をかけ…。私たちは未来の人類に対して致命的な土産を残すことにならないか。

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日本は周回遅れに…
第4の革命 ―エネルギー・デモクラシー
監督:カール=A・フェヒナー  2010年・独 83分

1980年代、日本とドイツに大きな差はなかったはずである。いや、太陽光の分野では日本が先行していたのではなかったのか。ドイツは1990年に「電力買い取り法」を制定し、爆発的な風力発電導入を実現した。さらに2000年の「再生可能エネルギー法」が太陽光発電の導入の起爆剤に。2つの法案制定に中心的役割を果たしたヘルマン・シェーアの提案により、4年がかりで作られたのが本作。2010年、ドイツで最も観られ、ドイツのエネルギー政策に影響を与えたドキュメンタリー映画である。

ドイツでは30年以内に100%再生可能エネルギーへのエネルギーシフトが可能だということを、環境活動家やノーベル賞受賞者、政治家らによる様々な角度から分析し、紹介する。

このことからも、ドイツの脱原発、自然エネルギーへのシフトが、福島原発事故を目撃したからではないことがわかるだろう。彼らは、とっくに走り出していたのである。フクシマは、それを加速したにすぎない。地震や津波のリスクが小さいドイツが原発を捨てた。日本ほど日照量のないドイツが太陽光を選んだ。そしてみなぎる自信。両国の違いは何か。技術力が違うからなのか。知識人や政治家の差か。それとも、それらを選ぶ国民の潜在力が違っているのか。

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シェーナウ、安全な未来への選択
シェーナウの想い
監督:フランク・ディーチェ、ヴェルナー・キーファー  2008年・独 60分

南西ドイツのシェーナウ。2500人が住む黒森地帯の小さな町である。チェルノブイリ原発事故の放射能は、2000km離れたここにも降りそそいだ。子どもの安全はどうなる、庭でとれた野菜は大丈夫か。「自然エネルギー社会を子供たちに」を旗印に、脱原発を目指す住民グループが立ち上がった。彼ら・彼女らによる「市民の市民による市民のための電力会社」を誕生させるまでの感動のドキュメンタリー。町を二分するような二度にわたる住民投票も、2011年の「あれ」以降、自分たちの選択が正しかったと思っているに違いない。

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報道された核関連記事
原発切抜帖
監督:土本典昭  1982年・青林社 45分

広島の原爆投下から1982年までの37年間に、朝日、毎日、読売、東京の全国紙に掲載された一万数千件に及ぶ核関連の記事の中から選び抜いた200あまりの記事を読み上げ、被爆国であり、なおかつ原発大国でもある日本の姿を描き出す。

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強大な権力と向き合う村民の姿
六ヶ所村ラプソディー
監督:鎌仲ひとみ  2008年・グループ現代 119分

2004年、青森県六ヶ所村に原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場が完成した。稼働に向けて動き出す巨大な国家プロジェクトをめぐり、村人の立場も様々だ。無農薬野菜を作る農家、職を失った漁師。推進も反対も、核と共に生きることを余儀なくされる現実がそこにある。カメラは事故を起こした英国の再処理工場へ。その40年の歴史が六ヶ所村の未来を予感させる。さまざまな事情を抱える村民たちが強大な権力と向き合う姿をとらえ、私たち自身の選択を迫ってくる。

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日本のエネルギー政策の未来は?
ミツバチの羽音と地球の回転
監督:鎌仲ひとみ  2010年・グループ現代 135分

ここは瀬戸内海に浮かぶ祝島。対岸に持ち上がった上関原発建設計画に一貫して反対を訴える人たちが住む小さな島である。自然を大切にし、そこから得られる恵みを糧とすることで、連綿と続いてきた島民の持続的生活が、原発建設計画によって危機に立たされている。国民投票によって脱原発を決定し、化石燃料に依存しない持続可能社会への転換を図るスウェーデンの取り組みと比較することで、日本のエネルギー政策の矛盾と不合理が明らかになる。

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本当の豊かさとは何か
祝(ほうり)の島
監督:纐纈あや  2010年・ポレポレタイムス社 105分

1000年前、沖で難破した船を助けたことから農耕がもたらされ、子孫が栄え、現在にいたるまで命をつないできた小さな島。山口県上関町にある人口500人の祝である。1982年、対岸に上関原子力発電所の建設計画が持ち上がり、島民たちは反対運動を繰り広げてきた。島の暮らしと島民を通して、本当の豊かさとは何かを問いかけるドキュメンタリー。

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原子力に未来があると信じていた…
原発建設推進の時代
 ① 原子力発電の夜明け(1966年)38分
 ② 黎明(調査篇)福島原子力発電所建設記録(1967年)26分
 ③ 黎明(建設編)福島原子力発電所建設記録(1971年)30分
 ④ 福島の原子力(1977年)27分
 ⑤ 目でみる福島第一原子力発電所(1991年)24分
制作: ① 東京シネマ ②~⑤ 日映科学映画製作所

ここに集めた映像は、日本の原子力産業と電力会社が20世紀後半に制作した、プロパガンダとまでは言わないが、原子力発電がもたらすバラ色の未来を宣伝するものである。

朝鮮戦争とベトナム戦争による特需をバネに、高度経済成長を突っ走った日本。電化製品から自動車で北米を席巻し、米国の社会学者エズラ・ヴォーゲルがその著書で「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼び、あるときは驚異と羨望の目で見られ、またあるときは危険視あるいは敵視されながら、わが世の春を謳歌した時期でもある。産業だけでなく、多くの学者や研究者までもが、原子力こそが未来を託せるエネルギーであると信じ込んでいたのだろう。①の「原子力発電の夜明け」を、文部省、青少年映画審議会、日本ユネスコ協会連盟、日本PTA全国協議会、東京都教職員組合、日本ジャーナリスト会議などが推薦し、教育や産業関係の映画賞を総なめにしていることからも、その一端が垣間見える。

1952年のカナダのチョークリバー(レベル5)、1957年のウラル核惨事(レベル6)とイギリスのウィンズケール(レベル5)、1979年のスリーマイル島(レベル5)、1980年のフランスはサン・ローラン・デ・ゾー(レベル4)、1986年のチェルノブイリ(レベル7)など、小から大まで原発事故はかなりの頻度で起き、設置数と事故の相関関係がわかっていながら、「日本の原発は安全」「日本だけは大丈夫」という神話が、まことしやかに語られてきた。しかしそれも、2011年の福島第一原発事故(レベル7)により、神話は神話でしかないことが明らかになった。

あれからまだ10年にみたない中、再稼働だのベースエネルギーだのと、わが国はいまだに原子力の亡霊と袂を分かつことができないでいる。半世紀前に何が語られ、それを信じた帰結がどうであったのかを自問自答すべきではなかろうか。『Fukushima 50』にカタルシスを感じている場合ではない。

NPO法人・科学映像館のサイトで動画がストリーム配信されています。この下のリンク先をク リックしてください。

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眉に唾つけて見るべし
Fukushima 50
監督:若松節朗  2019年・松竹=KADOKAWA 122分

マグニチュード9の地震による津波が、その危険を知りながら対策を講じていなかった福島第一原子力発電所を襲った。ステーション・ブラックアウト。全電源喪失で冷却できなくなった原子炉がその後どうなったか、今さら語る必要はあるまい。日本人が根拠もなく信じていた原発の安全神話が崩壊した瞬間だった。この状態が続けば炉心溶融(メルトダウン)が起き、東京を含む東日本に壊滅的な被害をもたらす危機が迫る。当直長と現場作業員たちは所長の指揮の下、懸命な状況把握と事態収拾に奔走する…。監督は『空母いぶき』の若松節朗。つけ加えると、炉心溶融は起きたが、幸運にも東日本は壊滅せずにすんだ。しかし広範囲が放射能に汚染され、不毛の地と化した。

海外メディアが“Fukushima 50”という言葉を創作したのは、福島原発事故が起きて割と早い時期だったはずだ。すぐに国内メディアが飛びつき、「フクシマ50」は瞬く間に受け入れられた。スーパーマンでも水戸黄門でも、大衆がヒーローに飛びつきたがるのは洋の東西を問わない。しかし、これはそういった英雄譚とは違うのではないのか。彼らの行動を否定するつもりはないが、焦点をあてるべき本質は、もっと別の所にあるはずだ。ずっとそう思ってきた。

私は本作を未だ見ていないが、2020年3月14日付『東京新聞』夕刊の「大波小波 原発事故を巡る大作映画」を読み、ぜひ見て確かめたいと思った次第。以下、そのコラムを全文転載させていただく。


 東日本大震災と福島第一原発事故から九年が経過した。その間に制作されたドキュメンタリー映画は、個人のスマホでの撮影を含め、既に夥しい数に達している。だが一般劇場向けの劇映画は皆無であった。莫大な制作予算を引き受け、なおかつ原発に批判的な出資者など存在していないためである、と思っていたところ、角川歴彦が制作代表となって『Fukushima 50』が作られ、六日から全国公開となった。渡辺謙と佐藤浩市が原発の所長と当直長の立場で奮闘し、男の友情をもって危機を乗り切るという美談である。

 巨額の制作費をかけた大作であることは事実だ。だが内容は「所長」を「上官殿」と言い換えれば特攻隊映画と変わりがない。救国の英雄物語からは女性がほとんど排除されている。献身的な部下と友好的なアメリカ軍将校は登場しても、逃げ惑う住民は名もなき背景でしかない。災禍の責任者である「東京電力」という言葉が口にされることもない。最後に復興五輪への言及とともに満開の桜が登場する。ここまで来て、すべてが判明した。これは「桜を見る」ための映画だったのか。

映画はしばしば歴史的事件の国民的記憶を決定づけてしまう。何とかならないものだろうか。(佐助)

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広島と福島をつなぐ反核の心
太陽が落ちた日
監督:アヤ・ドメーニグ   2015年・スイス/フィンランド  78分

広島赤十字病院の若き内科医だった監督の祖父は、原爆投下のその日から被爆者の治療にあたっていた。しかし彼は、生涯を通じて決して自らの体験を語る事はなかった。しかし監督が彼の足跡を辿っていくうち、同じような体験をした看護師と医師にめぐり会う。監督は彼らと出会い、取材を重ねながら、少しずつ祖父に近づいていく。そして、2011年3月11日、福島の原発事故によって、監督の探索の旅は新たな局面を迎えることになる。

https://asiandocs.co.jp/con/227?from_category_id=5 より引用

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母と子どもの目は、どこであろうと、いつであろうと、未来に向かっている
子どもたちの夏 チェルノブイリと福島
監督:田野隆太郎  2011年・TOエンタテイメント 78分

事故直後、国家の首脳部たちの反対を押し切り、多くの子どもたちをいち早く救った最高会議の議長。彼女の口から語られる、避難時の新たな事実。そして、事故の被害を受けた現地の医師や教師たちから明かされる、目を覆うような現状、対して母親になる若い世代や子どもたちの、将来に対する前向きな思いが語られていく。史上最悪の原発事故を経験したチェルノブイリと福島、両地域に暮らす人々を追ったドキュメンタリー。

世界中を震撼させたチェルノブイリ原発事故から25年、同地で子どもたちを救うため活動した女性議員や医師、教師たちが深刻な現状を語る一方、若い世代は将来への前向きな思いを明かす。そして3.11による原発事故後初めての夏を迎えた福島では、放射能からわが子を守ろうと奔走する親たちや、そんな状況下でも無邪気に遊ぶ子どもたちの姿が映し出されていく。チェルノブイリと福島で、両地域に住み続ける母子を追った。
(商品説明から)

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託された願いの中に真実を見いだす
Dear Fukushima, チェルノブイリからの手紙
監督:大竹研吾  2012年・露/ウクライナ 75分

チェルノブイリ原発事故による放射能汚染から四半世紀。代替都市スラブチチに、未来の福島を見つけ出す。

人類史上の大惨事のひとつ、チェルノブイリ原発事故。スラブチチは、そのチェルノブイリから北東50kmに建設された代替都市。人口2万5千万人の住民の半数近くはチェルノブイリ原発で今も働く。放射能汚染の環境と向き合い生きていく人々と、近隣諸国の援助や国からの先進的な福祉をうけ再生していく都市スラブチチが四半世紀の時間とともにひとつの答えを人類に示す。大竹研吾監督が自身でカメラを回しつつ、スラブチチにて福島の未来を追い求める、ドキュメンタリー作品。
(商品説明から)

1986年、過去最悪な原発事故が起きたチェルノブイリ。その25年後の福島原発事故。チェルノブイリに行けば未来の福島の姿を見ることができるのでは…。放射性廃棄物を素手で処理した作業員、元原発所長、あのとき小学生だった女性、学校の先生だった女性、いま福島で起きている事、これから福島が直面する問題、事故の対応、復興への道、命の重さ、次世代への願い……。

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これは犯罪だ
パレスチナからフクシマへ
監督:土井敏邦  2018年 56分

イスラエル建国で故郷を追われ、空爆や砲撃で家と家族を失ったガザのパレスチナ人は、原発事故で故郷を追われた“フクシマ”に何を観るのか。「第二のノーベル平和賞」受賞者、パレスチナの人権弁護士ラジ・スラーニが飯舘村への旅と村民との対話の中で、“パレスチナ”と“フクシマ”の普遍性を探っていく。
(土井敏邦ウェブサイトから)

http://doi-toshikuni.net/j/palestine_fukushima/

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その日、町は丸ごと引っ越しをした
フタバから 遠く離れて
監督:舩橋淳  2012年 96分

福島県双葉町、町全体が丸ごと移住という前代未聞の事態に直面した。

2011年3月12日双葉町民は1号機の水素爆発を耳にし『死の灰』を被った。町は全面立ち入り禁止の警戒区域となり、1400人が250Km離れた埼玉県の高校へ避難。一つの街が丸ごと移転するという前代未聞の事態となった。

放射能の影響で故郷に近づくこともできず、将来の生活も見えずに埼玉県の避難所から動くに動けない町民たち。避難先では不自由な共同生活を余儀なくされ、原発推進派だった町長の意志も揺らぐ…。

原発により1960年代以降経済的繁栄が約束されてきた場所・双葉町。町民は、いまだ奪われた家・土地・財産の補償を受けずに、5年以上とも言われる避難生活を続けている。時間が経つにつれ東北の復興が加速してきても、取り残されていく避難所の日々。カメラは、ある日突然、故郷とともに全てを失った人々に9ヶ月間にわたって寄り添い、その日常を記録した。そして一般の報道では語られることのない被災者の本音や、町民たちの日常生活の延長線上にある原発政策の矛盾をあぶりだしていく。(商品説明から)

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突然住む場所を追われて3年
フタバから 遠く離れて 第二部
監督:舩橋淳  2014年 114分

『フタバから遠く離れて 第二部』とは、福島第一原発事故により避難を強いられている、福島県双葉町を追ったドキュメンタリー映画『フタバから遠く離れて』の続編である。第一部は、埼玉県加須市にある旧騎西高校へ全町避難をした後9か月を追ったものであり、第二部はそれ以後から現在までの約3年間を記録した作品である。

2012年第一部公開当時、メインの上映会場であったオーディトリウム渋谷は連日満席となり、公開数日でアンコール上映が決定された。その後も各地での劇場公開、国内100箇所以上で自主上映が行われ、海外ではベルリン国際映画祭ほか40以上の映画祭に招待され、大きな反響を得ている。

長い避難生活で町民の間に不満が多く出はじめた双葉町の避難所や仮設住宅では、町議会と町長が対立。2013年2月に井戸川克隆町長(当時)が辞任に追い込まれた。町長選挙を避難先で行うという異常事態の末、異なる町政方針を打ち出した伊澤史郎氏が当選、役場は福島県いわき市に再移転した。町長交代により揺れ動く双葉町は帰宅困難区域に指定され、さらには中間貯蔵施設の建設計画が出されるなど、事故に起因する様々な問題が大きな影を落としてゆく。歴史に翻弄された土地で暮らしてきた人々の立場を克明に映し出し、目に見えないものが消失していく様と、原発行政がもたらした矛盾を描く。
(商品説明から)

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国も東電も、何もしなかった…
わたしたちは忘れない 福島避難区域の教師たち
監督:湯本雅典  2012年・湯本雅典 33分

2011年3月11日の震災後、爆発を起こした福島第一原子力発電所周辺の小・中学校は休校となった。被災した教職員は、自分の家族と共に避難せざるを得なかった。

福島県教育委員会は、5月に早々と2012年度の教職員の新規採用をしないことを発表。当面、福島県の教職員は、現行の教員数で混乱した教育現場の立て直しをせざるをえなくなった。

さらに原発の影響で休校中の学校の教職員には「兼務発令」を出し、現任校に在籍しながら児童・生徒が転校した先で勤務するという体制をとらされた。この結果、ちりぢりになった自分の子どもたちへの関わりは思うようにできなくなり、避難先から兼務校への遠距離通勤を強いられる教職員も続出した。

震災後、被災地の学校現場に真に求められていたことは、一体何だったのだろうか?
https://yumo.thebase.in/items/11414248

「私たちは忘れない 福島避難区域の教師たち」 予告編
https://www.youtube.com/watch?v=QI98mEyH9c8

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フクシマを忘れていないか?
サイレント・フクシマ
監督:アヤ・ドメーニグ  2020年 52分

原発事故から10年が経ち、日本では福島のことを話題にする人々がとても少なくなりました。東京では夏季オリンピックが予定されており、日本政府は世界に向けて優れた、そして安全な日本を見せることに一生懸命のように見えます。しかし、多くの場所で放射線量は依然として懸念されるレベルのままで、崩壊した原子炉の解体をめぐる問題は未解決のままであり、多くの避難者は未だに汚染された家に戻ることができていません。 《サイレント福島》では、スイス・日本人監督のアヤ・ドメーニグが、政府の原発事故軽視政策を批判し、忘却と闘う5人の日本人アーティストを描いています。この映画は、市民と国家の関係、芸術と政治の関係、そして未来の世代に対する私たちの責任について問いかけます。(アヤ・ドメーニグのウェブサイトから)

https://www.ayadomenig.ch/

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飯舘村の深い乖離と軋轢
飯舘村 故郷を追われる村人たち
監督:土井敏邦  2012年 60分

福島原発事故で、飯舘村の6000人の村民は「全村避難」を強いられた。長年、“パレスチナ”を取材してきた土井にとって、原発事故という“人災”によって、住み慣れた土地からの避難を強いられ、生活基盤を失い、家族の離散を強いられた飯舘村の村人たちは“日本の中のパレスチナ人”だった。2つの酪農家の家族が故郷を失っていく姿を描きながら、「人にとって、“故郷・土地”は何か」「共同体や家族とは何か」を追った。
(土井敏邦ウェブサイトから)

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ほんとうに帰れるのか
飯舘村 放射能と帰村
監督:土井敏邦  2013年 119分

飯舘村で酪農の生業を失い、家族離散に追い込まれた二つの家族の「その後」を追いながら、“故郷喪失”の深刻な傷痕をあぶり出す。政府は莫大な費用と歳月を費やし、「村民の帰村と復興」をめざして「除染」を開始した。しかしその効果は「子どもたちが安心して暮らせる」レベルにはほど遠い。「いったい“除染”は誰のためなのか。除染事業の真の狙いは何か。そして飯舘村の村民はほんとうに帰れるのか」を追う。
(土井敏邦ウェブサイトから)

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東日本大震災で発生した原発問題の裏に隠された闇を暴く衝撃のドキュメンタリー
サバイバル・ジャパン ~ 3.11の真実 ~
監督:クリストファー・ノーランド  2014年 90分

東日本大震災のボランティアに赴いたアメリカ人青年が、現地で目の当たりにした衝撃の実態を世界に伝えるために自らカメラを持ち、被災者、政府関係者、さらには東京電力関係者の生の声を聞くうちに明らかになった事実…。津波による被害の後処理、政府の災害への対応の欠如、原子力発電所事故後の放射線による影響、原子力の将来に関する苦悩を浮き彫りにする。
(商品説明から)

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本当に守るべきもの…
遺言 原発さえなければ
監督:豊田直巳、野田雅也  2014年・映画「遺言」プロジェクト   225分

福島第一原発事故の現場に駆けつけた二人のジャーナリスト。土地の人々とともに800日間にわたって過ごした日々を記録し続ける中で、絶望の淵からの試行錯誤、もがきの中で気づいた家族、仲間、奪われた故郷への思い、そして見えてきた本当に守るべきものの存在…。3年にわたり記録された250時間の映像が、3.11後の今を生きる私たちに問いかけるものとは…。

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謝れ!償え!かえせ!
奪われた村 ~ 避難5年目の飯舘村民 ~
監督:豊田直巳  2016年・「奪われた村」製作委員会 64分

福島第一原発の爆発直後、「安全だ」と言われて村に留め置かれ、放射性ヨウ素の半減期が過ぎた頃になって全村民が故郷を追われた飯舘村。それ以来、村人は健康不安、慣れない仮設住宅に暮らすストレス、共同体の崩壊による孤独感を味わう。この作品は、人口の過半数を超える3000余名の村民が立ち上がった「謝れ!償え!かえせふるさと飯舘村」原発被害糾弾飯舘村民申立団の協力を得て取材撮影されたものである。

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“原発”がこの村、この家族を変えた…
わすれない ふくしま(改訂版)
監督:四ノ宮浩  2016年・「わすれない ふくしま」製作委員会 104分

2011年3月11日東日本大震災、そして太平洋沿岸部500キロに渡る大津波により多くの人々が犠牲になった。また、その翌日の3月12日からの福島第一原発の爆発により大量の放射能が放出された。この映画は2011年5月福島第一原発北西に40キロの福島県飯舘村から撮影が始まり、そこから避難したある家族と、いまだ警戒区域で300頭の牛を飼い続けている畜産家の日常を追った記録です。その背景には、原発事故後牛を殺処分させられた酪農家が自殺した事件、フィリピン人妻を持つ家庭の現実など様々な問題が存在した。
(商品説明から)

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複眼的に眺めてみたら… 原発の何が問題なのか
日本と原発
監督:河合弘之  2014年・Kプロジェクト 135分

2011年3月11日、東日本大震災によってもたらされた福島第一原発事故。事故発生当初起きていた知られざる“原発震災”の悲劇。国家滅亡もあり得た東電作業員避難問題。チェルノブイリ原発事故の教訓。原発のコスト。新規制基準。増え続ける汚染水の行方。あらゆる角度から日本の原発問題を見つめた弁護士だからこそ描けるドキュメンタリー映像。(商品説明から)

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原発は、これから…
日本と原発 4年後
監督:河合弘之  2015年・Kプロジェクト 138分

ピラミッドのように積み上がりながら、ふる里を侵蝕し続ける放射性廃棄物。毎時5.0マイクロシーベルト!放射線標識が立ち並ぶ常磐自動車道。低線量被曝とは?母親たちの苦悩に答えはあるのか?日本にも起こりうるテロ・戦争行為で、原発は自国に向けられた核兵器と化す。高浜原発を止めた司法の判断!そして再稼働は…?東電元役員に下された強制起訴までの道のりとは…?(商品説明から)

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日本は世界について行けるか
日本と再生 光と風のギガワット作戦
監督:河合弘之  2017年・Kプロジェクト 100分

福島原発事故であぶり出された原発利権構造。日本政府は執拗に原子力発電の復活を目論んでいる。全ての原発を止めようとする脱原発弁護士・河合弘之は「原発を無くしても、自然エネルギーで地域も経済も再生できる」と信じ、世界の自然エネルギーの実情を知る旅に出た。同道するのは反骨の環境学者・飯田哲也。ドイツ、デンマーク、中国、アメリカ、etc.。電力輸出が増大するドイツ!米国防総省が進める自然エネルギー計画!原発推進国と思われていた中国の絶対的自然エネルギー隆盛!クリーンで安価なエネルギーで世界はもう動いている。日本も遅れを取ってはならない!東京高等裁判所でも上映された大ヒット作『日本と原発』の監督が描破する自然エネルギーの大いなる世界!(商品説明から)

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再処理工場の大事故は、日本を破滅させます
カタストロフィ - 破滅を防ぐために -
監督:池島芙紀子  2021年・ストップ・ザ・もんじゅ 54分

学者たちの厳しい警告にもかかわらず、国や事業者のリスク評価は依然として甘く、災害列島に住む私たちは今、3.11の前夜にいます。急ぎましょう。次なる大惨事を防ぐために。(商品説明から)

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できるんです、「脱原発」
脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA
監督:伊賀俊徳  2012年・「脱原発世界会議」実行委員会 30分

2012年1月14・15日、パシフィコ横浜で開催された「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」。福島とつながり、脱原発を実現するために、知恵と熱意が集まった世界会議のダイジェスト。

参加者は、海外からの“約30カ国100名”を含め、2日間でのべ1万1,500人に上り、約10万人がインターネット中継を視聴しました。会議では「原発のない世界のための横浜宣言」が発表され、会議参加者から出された多様な行動の提案は、「原発のない世界をつくる行動の森」にまとめられました。世界会議を記録したこのDVDは、海外ゲスト約60人による福島視察や、「ふくしまの部屋」、「海外ゲストと話そう」、子ども向けプログラムといった参加型の会議の様子を追っています。2日でのべ約500名のボランティアが会議運営を担い、100を超える団体が「もちこみ企画」を実施した世界会議の熱気に触れてください。(商品説明から)

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